クレデンザ1926×78rpmの邂逅 #60~デニス・ブレイン 23歳のモーツァルト
これは「史上最高のホルン奏者」と言われるデニス・ブレインが 1957年9月1日、自ら運転する車で単独事故を起こして即死(享年36歳)した際、ブレインと共にあった彼のホルンの痛ましい姿。
史上最高のホルン奏者
今日はそのデニス・ブレイン(Dennis Brain, 1921年5月17日 - 1957年9月1日)の100回目の誕生日だ。
デニス・ブレインは、EMIの録音専用オーケストラとしてプロデューサー、ワルター・レッグによって1945年に創設されたフィルハーモニア管弦楽団、そしてイギリスを代表する指揮者、サー・トーマス・ビーチャムが1946年に創設したロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団、2つのオーケストラの首席奏者に就任(24歳、5歳の時)、メンバーとしてカラヤンやビーチャムの名録音にも多数参加している。
カラヤンとのモーツァルト
しかし、何と言っても彼の代表盤と言えば、そのヘルベルト・フォン・カラヤンが指揮するフィルハーモニア管弦楽団と1953年11月12-13日に録音したモーツァルトのホルン協奏曲全4曲であろう。
未だにこの演奏を凌駕するモーツァルトのホルン協奏曲の音盤はない、と言われている。
【ターンテーブル動画】23歳のブレインのモーツァルト
この歴史的名盤の録音から遡ること10年前の1943年6月、23歳のブレインはハレ管弦楽団をバックに、第4番のコンチェルトを録音している。
今回はその78rpmをクレデンザ蓄音機で。
指揮者の名はクレジットされていないが、不思議なことだが第1楽章をマルコム・サージェントが、残りの2楽章をローレンス・ターナーが指揮している、というデータがある。
第4番は第3番ほどの人気がある作品ではないが、決して第3番に劣る作品ではなく、ブレインのこの1回目の録音でもそれは十分に、というかブレインだからこそそれを見事に証明している。輝かしくコントロールされた技巧からモーツァルトの躍動、そしてロマンが迫ってくる。
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