クレデンザ1926×78rpmの邂逅 #141〜イゾルデ・メンゲス ブラームス『ヴァイオリン・ソナタ第3番』~Ⅱ:Adagio(1929)
イゾルデ・メンゲス、2連投!
これは8/18に回す予定はないのですが…。
8/18の「シレナ1912&クレデンザ1926 × 78 rpmの邂逅Vol.2」の主役、イゾルデ・メンゲス。
彼女が1929年2月にレコーディングしたブラームス『ヴァイオリン・ソナタ第3番』の第2楽章アダージョ。
もし「作曲家の室内楽作品の総数に対する傑作率」というメジャーがあったとしたら、長いクラシック音楽史上で、圧倒的No.1を獲得するのは間違いなくブラームスだ。
モーツァルトでもベートーヴェンでもない。
第3番のソナタは「ブラームスの晩年」と言われる時期の最初の傑作。内省的で深く沈んだ気分に覆われた如何にもブラームスらしい作品。
ただその第2楽章アダージョは、一瞬その憂鬱な気分から解放される「憧憬」の世界。
彼の室内楽にあって、『ピアノ四重奏曲第3番』の第3楽章アンダンテと並び緩徐楽章ツートップの美しさ。
8月には回さないけれど、メンゲスのヴァイオリンの『音の質感』を感じていただくのに、これほど適したレコードもなかろうと。
まさに「はちみつの音色と質感」。
なお、動画のおしまいの方に出てくる素敵な景色は、ブラームスが好んで訪れ、このソナタもそこで作曲されたスイスのトゥーン湖畔。
音楽と風光はクロスフェードする。
シレナ1912 &クレデンザ1926×78rpmの邂逅 Vol.2
イゾルデ・メンゲスのベートーヴェンとアコースティック録音期の女流ヴァイオリニスト
2024年8月18日 (日)
開場:13:00/開演:14:00(終演予定:16:30 途中休憩あり)
かふぇ あたらくしあ
千代田区神田神保町2-12-4 エスペランサ神田神保町Ⅲ B1F
電話 03-6268-9187
料金:チャージ1,000円 + 1ドリンク以上オーダー
レコード録音史上において1900年代~1910年代、男性同様女性ヴァイオリニストもSPレコードの録音を残している。例えばモード・パウエル(1868年生)、マリア・ホール(1884年生)、キャスリーン・パーロウ(1890年生)などはアコースティック(電気を使わない)録音期に活躍し、比較的多くの録音を残しているが、それらはいずれもレコード片面で完結する小品や通俗名曲の類であった。
そんな中登場し、1923年にベートーヴェンの『ヴァイオリン協奏曲』をアコースティック録音したのが、イギリス出身でL.アウアーとC.フレッシュに師事したイゾルデ・メンゲス(Isolde Menges, 1893年生 - 1976年没)であった。
1925年以降の電気録音時代になるとメンゲスは、べートーヴェンの『クロイツェル・ソナタ』やブラームスの第2番と第3番のソナタ、そしてバッハの『シャコンヌ』(無伴奏パルティータ第2番)など、1曲に複数枚のSP盤を要する大曲、より芸術的価値の高い不朽の名作を録音していった。
今回はそのメンゲスのベートーヴェンのコンチェルトとパウエル、ホール、パーロウ、そしてメンゲスよりも一世代若いエリカ・モリーニ(1904年生)のアコースティック録音による小品を1912年ポーランド製ラッパ型蓄音機「シレナ」で、電気録音黎明期の1925年10月に録音されたメンゲスの『クロイツェル・ソナタ』を1926年アメリカ・ヴィクトローラ製蓄音機「クレデンザ」で聴くというコンサート。
◆演奏盤
ベートーヴェン
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61
ランドン・ロナルド(指揮)
ロイヤル・アルバート・ホール管弦楽団
1923年9月録音(HMV D767/71)
ベートーヴェン
ヴァイオリン・ソナタ 第9番 イ長調 Op.47 "クロイツェル"
アルテュール・デ・グレーフ(ピアノ)
1925年10月録音(HMV D1066/69)
他、アコースティック録音期の女性ヴァイオリニストのSPレコード多数
◆ご購入方法※料金先払い
❶かふぇ あたらくしあ OFFICIAL ONLINE STORE
❷かふぇ あたらくしあ 店頭
◆ご予約方法※料金当日払い
(8月13日以降の予約キャンセルは、理由の如何に関わりなくキャンセル料1,000円を承ります)
❶ かふぇ あたらくしあ 電話 03-6268-9187
❷ かふぇ あたらくしあ Instagram(@cafe_ataraxia)のDMより
いずれもイベント名、お名前、連絡先、席数をお知らせください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?