
シレナ1912×78rpmの邂逅 Vol.1~ネリー・メルバ『愛の神よ、照覧あれ』(1904)
モーツァルトの歌劇『フィガロの結婚』。
映画『アマデウス』では、モーツァルトの作曲家としての頂点が、このオペラにあったように描かれている。
激しく同意。
このSP盤は、マリア・カラスが登場するまでは、絶対的「世紀のDIVA」とされていたオーストラリア出身のソプラノが、1904年3月にリリースした第2幕冒頭、伯爵夫人のアリア『愛の神よ 照覧あれ』。
Gramophone and Typewriter Ltd.の初版。
コレクターズ・アイテムか?

名アリア、二重唱の宝庫である『フィガロ』にあって、個人的にはその頂にあるアリア、だと思っている。
神々しく、清麗でありながら、哀れでもある伯爵夫人の心を鏡のように映し出した傑作。
このDIVAは実演ではモーツァルトの諸役をレパートリーにしていなかった。
なのにSPで録音は残した。
カラヤンがオッフェンバックの序曲集を録音するようなものか・・・。
彼女の記録としてのバリューはあるかもしれないが、歴史に残る名唱かと言えば「???」となる。
「心ここに在らず」といった空気が流れてくるような・・・。

じゃあ、何故そんなイケていない盤を持っているか言えば、漱石先生1枚で買えたから😎
ただそれだけ。
これがレア盤ならではの一桁違う値段なら、もちろん買っていない。
参考物件。
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