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クレデンザ1926×78rpmの邂逅 #120~ヴァンデ・トゥオレク『カナリー』

デンマークのレーベル「POLYPHON」からヴァンデ・トゥオレク(Wandy Tworek, 1913 - 1990)のヴァイオリンで、ポリアキンの「カナリー」。

まず最初にお伝えしたいのは、私自身がヴァイオリンの奏法に明るくないので、このカナリアのさえずりを忠実に再現するような演奏が、実際はどんな技法で可能なのか?ヴァイオリニストの方でお分かりになる方がいたら、ぜひご教授いただきたい。

トゥオレクはポーランド人の両親のもと生まれたが、デンマークに定住。
12歳の時、ブラームスのコンチェルトを弾いてデビューした。

ただし、その後はクラシカルなコンサート・ヴァイオリニストというよりは、ポピュラー・ミュージックも含め幅広いレパートリーを持ち、ショーマンシップを発揮するような場で演奏し、自ら編曲も行い、作品をレコーディングしたアーティストであった。

そういう点においてこの「カナリー」は彼のヴァイオリニストとしてのアイデンティティをよくよく確認できるなかなかの名盤。

これを単なるエンタテインメント音楽、テクニックを駆使したアクロバティックな見世物芸と捉えれば、それで話は尽きてしまう。
しかし、音楽に接することが精神的な充足のためだけでなく、可笑しみでもあるという視点に立てば、これは実に愉快なレコードだ。

サブスクで同じ「カナリー」を現代のヴァイオリニストの演奏でも聴いたが、さえずりの再現度は、トゥオレクの方が遥かに凄かった!


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