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シレナ1912×78rpmの邂逅 Vol.2~ハインリッヒ・グリュンフェルト 『ラルゴ ”オンブラ・マイ・フ”』(1909)

チェコ・プラハで生まれ、ベルリンで活躍したチェリスト、ハインリッヒ・グリュンフェルト(Heinrich Grünfeld, 1855年4月21日‐1931年8月26日)が、1909年5月9日に録音したヘンデルの「ラルゴ(オンブラ・マイ・フ)」。

グリュンフェルトは演奏だけでなく、作曲やチェロ用の編曲なども残し、ベルリン高等音楽院で教鞭も取っていたよう。

カザルスによる近代チェロ奏法が確立する前の演奏だろうから、恐らくエンドピンも使われておらず、現代の奏法と比較して、窮屈な演奏にならざるを得なかったのかもしれない。

ただそれを認めたとしても、この古色蒼然としてゆっくりと淡々に、ところどころ当時の演奏らしいポルタメントが効果的に使われたチェロの音色の「秘宝っぽさ」はいかばかりか?

1912年製シレナ蓄音機がグリュンフェルトの音楽にさらに「味」を付け加えている。


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