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バッハ関連まとめ

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#音楽

BACHオルガンコラールのモダニズム-オルゲルビュヒラインよりBWV641

 40秒ほどの、なんということもないコラールである。  それがバッハの手にかかると、こうなる。  原曲とは似ても似つかぬスーパーウルトラアレンジ。  話はそれだけではない。  300年前のドイツ・プロテスタント文化圏に特有の音楽は、そのまま現代人に直接響く。  コラール旋律はソプラノ、以下アルトテノールバスはほぼ伴奏に徹する、極めて古典派ロマン派的な音楽。だからそのままピアノで弾いてもなんの違和感もない。  これをジャズトリオでやっても、クラシックオーケストラでやって

BACH平均律クラヴィーア曲集第1巻という愛-私的重要作五選

 バッハの《平均律クラヴィーア曲集第1巻》は、彼の音楽世界の「ミクロコスモス」である。 前奏曲とフーガという対比的な取り合わせ作品が全部で24セット。  ハ長調から始まるこの曲集は「ドレミファソラシ」にまつわる全24の調を順行する「宇宙旅行」である。  今回は本曲集の要となる作品五つを独自の視点で厳選。  紹介にあたっては、あえて前奏曲とフーガをそれぞれに切り分ける等、可能な限りコンパクトとなるよう心がけた。 1.嬰ハ長調 フーガ 小川的遁走曲-陽。  これぞまさしくバッ