緩く大きな弧を描く飛行機雲を見て人生を思う

（緩く大きな弧を描く飛行機雲を見て
人生を思う）

飛行機雲を

運命だとみてみよう

産声をあげるのが離陸

運命の終わりが着陸

命を運んで現在地の飛行機は

その後ろに

一筋の飛行機雲を描いていく

その飛行機に命は乗っているのかな

もしかしたら

乗っていないかもしれない

もしかしたら

途中で降りてしまったかもしれない

だけど

飛行機はそのまま

飛行機雲を描きながら飛び続ける

それが運命だから

誰も乗っていないかもしれない

あの緩く大きな

弧を描きながら飛ぶ飛行機を

私は眺めている

眺めながら　何かを思う

ということは

その飛行機はやっぱり運命なんだ

誰かが乗っているかもしれないし

誰かが降りた後かもしれない

だけど

その飛行機を見かけた私は　何かを思う

ただ　前へ前へ

一筋の飛行機雲を残していく飛行機

その飛行機雲もいずれ消えてなくなる

誰かが見つけるかもしれないし

誰にも見られないかもしれない

それでも

一度離陸した飛行機は

着陸のその時まで

前へ前へ　

飛行機雲を描いて飛ぶんだ