現地コーディネーター:第14話
出会ってまだ数時間しか経たない若者三人は大学構内の駐車場に停めたビートルから降りると、静まり返ったキャンパス内を意気揚々と歩いた。真冬なのに空気は湿気を帯びて寒さは感じない。モスの垂れ下がる古木や蓮池のある庭園を抜ける。キャンパスは端から端まで歩くのに一時間はかかる広さだそうで、パーティー会場の学生寮までの道のりはなかなかのものだった。
エドウィンは心地良い南部の夜風を感じながら、ジャスミンの香りをさせた従姉妹のクリスタルと乏しいボキャブラリーを使いながら談笑して歩いた