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私は理解できた

 他人から見た自分の欠点が、自分では長所だと思っていたり、大切にしていた価値観だったりすることがあり、それを自覚していても直せなかったり、克服できなかったり、自分の個性だと言って開き直ったりしていた。自分を変えるというというより、自分を変えることよりも、周囲を変えることを優先し、自分に有利になるためのスキルを磨いてきた過去の経験が深く根付いていたため、自分を変えることに対する不安や恐怖に悩まされていた。そして他者との交渉や会話では「相手に足元をすくわれないように」という言葉が常につきまとっていた。

 その過程で、環境に過剰に適応しようとすればするほど、自分に言い聞かせる嘘が増え、本当の自分でありたいという思いが強くなり、自分の力では取り戻せないところまで自分を追い込んでいった。その欲求を満たすのが「薬物」だったのは疑いようもない。

 歴史が示すように、人は変化が効果的で有益であることを知ると、簡単にシステムや常識を変え、人はその方向に流れていく。この順応性こそが、他の動植物と違って人間が繁栄してきた理由だと私は信じている。逆に支配する側はこれを利用する。

 なかなか変わらないと思われる常識も人の性質を利用してあっさり覆る。その意識の変化に呼応して、性の見直しや踊りに顕著にあらわれる。このパターンもおそらく利用されているに違いない。

 「鉄は熱いうちに打て」という”ことわざ”は、本来は「物事は柔らかいうちに吸収せよ」という意味だが、私は「何事にも情熱を持って立ち向かえ」と解釈し、情熱的になることに夢中になった。そして、それを正当化しようと躍起になった。自分の中に湧き上がってくる感情や情熱を捨てろということではないが、立ち止まって考えるための「間」は必要だと思った。

2015 4/18


私たちは自分自身の内で、そして世界の中で起こっていることについて語ることを通して、それを人間化するのであり、またそうした語りの中で人間であることを学ぶのです。

ハンナ・アーレント


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