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オフホワイトのニットの直し


お客さまは、かなり長身で細身の方で、

色も違ってもいいから、布を足してとにかく、

着丈を長くしたい

ウエストをシェイプしたい

とのこと。

表と後ろと編み糸が違う


布?

編み物に布はちょっとなぁ。。。

きっと編み布地のことだよなぁ。。。


わたしたちは、布帛専門なので、

ニットのお直しは、
また別のニット専門直し屋さんがあるので、基本的にはお断りしています。

ほころびとか、毛糸のひっかけとか、出来そうなのはお受けしますし、ハサミを入れてもいい確認が取れればもちろんお受けします。

でも、普通の人はニット製品がどこまで直せるかわからないので、とにかく出来るかどうか、

いろいろ聞かれます。

だいたいお断りしますが、

常連の方だと、今までの積み重ねでお互いにルールがわかってきているので、

時間をもらって出来そうなものは検討させていただきます。

お互いの許容範囲は、やはり数分のお話しの中では乗り越えられないことも多く、年月の積み重ねは偉大です。

ということで、

編み物の道具も揃ってるし、編み方も複雑そうではないし、毛糸があればいけるかも。。と進めることに。


アルパカなので、なんとなく良さそうな毛糸の目星もついていたのと、

ミックス柄の毛糸の種類だから、違う毛糸でも馴染みが良さそうとだな判断しました。


毛糸が揃ったから、ふためゴム編みで編み足していけばいいかと思ってたのに、よく見ると、

ひとめでも、ふためでも、

ゴム編みではない。。。。


何編みか調べたら、どうやら

アルプス編みと呼ばれる編み方でした。

さすがオフホワイト、単純な編み方はしないよね〜笑笑


そしたら、もうアレしかない。

わたしの大好きなあの編み方、かのこ編み♡

まず、後ろ身ごろで、ゲージをとり
違和感ないのを確認するのと、
棒針の号数を決める


編み物は、人によって手のキツさが違うので、

大事なものは、必ず

ゲージをとります

何センチか自分で決めた正方形の中に

何目、何段あるかで、目指す寸法が作れるわけです。

まぁ、地図の縮率みたいなものでしょうか。

棒針の号数の確認で、3回もゲージを編み直してようやく裏側だけても横幅が130目ほどある道のりをスタートします。


単純なものほど、誤魔化しができないのです。

付け足す毛糸が若干本体より細目だったので、
キツすぎると全体的にローゲージのゆるさが出ないし、

ゆるすぎると、裾が広がってしまうので、

しつこく追求しました。


何が違うかは、やった本人しかわからないかも笑


編み物は、

編みはじめと編みおわりもかなり重要。


かのこ編みの編み終わりをふつうのゴム編みどめにしたら、なんだか、全て台無しになる感じで、

手編み感のわかる隙間だらけの終わり方に。。。

手編み感が悪いわけではなく、

手編み風の機械編みだから、ダメなのです。

直したものを検品したり、修正し直したり、
間違い探しの人生だったので笑、


最後までいい仕上がりを追求しますよねぇ。。。

ということで、最後の終わり方のゲージも作って練習して、

号数も変えて、三段ほど解いてやり直しました。

一見、簡単そうなものでも、クリアすべき事柄がたくさんあるので、編み物は本当に奥が深く、

沼です。。。

そして表も仕上げたら、ウエスト詰めに入ります。

左脇にファスナーついてるので
これもついでに裾まで移動します


ファスナーの裏側
ファスナーも
みかえしもはすします
完成

市販の毛糸でも、

なかなか違和感なく仕上がったと思います。


これで、バンザイしても、おへそは見えなくなりますね笑

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