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いまさらM1の話

私、M1で驚いたというか感動したことがあって…それは漫才じゃないと言われるかもしれないけど。
いまさらと思ったんだけど、やはり書いておきたかったからここに書く。

ヨネダ2000という女の子2人のコンビがファイナリストになったのね。
年齢がうちの息子達とそんなに変わらない。
だから応援していたんだ。

ヨネダ2000がM1でやったネタを簡単に説明すると、誠ちゃんが「イギリスで餅つきやりたい」と言い出す。愛ちゃんが戸惑いながら餅をつく。餅をかえす方の誠ちゃんがDA PUMPの歌を歌い、踊る。
やがて餅をついている愛ちゃんもラップの部分を歌い出し、最後は2人が「サンキュー」とハモって終わる。

もう、これを見てびっくりしたのよ。
だって、漫才ってツッコミが「いい加減にしろ」とか「もういいよ」と相手がおかしい人と決めつけたまま終わることが多いじゃない?
だからツッコミであると思われた愛ちゃんが歌い出した瞬間、笑いが起きた。
お客さんが「お前もかーい!」と心の中でツッコミ入れたからよね。
すごくない?
お客さんを巻き込むのもすごいし、なにより2人とも歌がうまい。
2人がサンキューで終わった後、面白いミュージカルを見たような、なんだかよくわからない温かい笑いで衝撃だった。

漫才じゃないという人がいるかもしれない。
でも昔の漫才って喋るだけじゃなかったよね?
内海好恵、桂子師匠とか三味線持ってたし、歌あり、楽器あり、ハリセンあり…あんまり書くと歳がバレるからやめとく。

私には重度の知的の子がいるんだけど、やっぱりおかしなこと言ったりやらかしたりするのよ。
でもおかしな発言はその子にとって大好きで大事なことの表現だったりするわけなの。
一緒に言ってみたり、共有してみる。
わからないままだけど嬉しそうにしている子をみると「もういいよ」とか「いい加減にしろ」ですませたくないなと思うことがある。

だからツッコミのはずが一緒に歌って、お客さんまで巻き込んでしまったヨネダ2000は私にとってすごいのよ。
でも決勝には進出できなかった。
時代が早すぎたわけじゃなくて、みんなの漫才の固定観念が強かったんじゃないかと思う。
才能ある2人だから、まだまだこれからが楽しみ。

優勝したウエストランド。
勢いが1番あったと思う。
毒舌漫才だった。
優勝が決まったとき、ロングコートダディが「悪口言って優勝すると思わなかった」と呟いた。

難しいね、毒舌漫才。
言い方によっては本当に悪口だもの。
それにその問題で困っている人がいたとしても、みんなが笑っているからいいじゃないとなかったことにされる可能性ものあるから。
でも毒舌漫才も必要なの。
不満や問題を抱えている人の代弁になって、それを知らない人に気づかせる役割もあるから。
上手く自分のキャラを利用して際どいところを突かなきゃいけない。

優勝したこれからが大変よね。
毒を求められるばかりにならないといいけど。





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