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【裁判所事務官】専門記述(憲法)・解法テキスト


【はじめに】本noteを作成した背景

過去問の解答例を掲載した市販の参考書はありますが、その解答例を作成する過程を順序立てて解説している【解法にフォーカスした参考書】は私が知る限り、存在しません。(予備校の講座を除き、少なくとも市販のものでは)


そのため、記述の点数が伸び悩んでいる受験生にとっては、高額な受講料を支払って予備校に頼るか、もはや思考することを捨て、苦肉の策で市販のテキストの答案を丸暗記して【不安を抱えたまま】試験に臨むしかなかったというのが、これまでと今も続く、多くの裁判所事務官受験生(特に独学者)における【リアルな現状】だと思います。


しかし、それだとまさに人生を賭けた大一番の本試験が【ギャンブル】になってしまいます。


実は、記述問題には「解き方コツが存在します


それを知らずに、ただ漠然と答案の暗記だけをしても確実に合格点を取り切るというのは難しいです。


そこで、本noteが、あなたのこれまでの学習において習得してきた【基本テキスト&択一式問題集の法律知識】をスムーズに記述の点数に反映させるための橋渡し的な役割を担います。


本noteは、かつて私自身が裁判所事務官を受験した際に、記述対策に苦労した実体験やこれまでの裁判所受験生に向けた受験指導経験をもとに作成いたしました。


このnoteを作成した背景には、経済的な事情等で予備校の受講を断念せざるを得ない、裁判所志望の独学受験生に向けて、できるだけ良心的な価格でしっかりと対策をしていただき、裁判所事務官になるという夢を諦めてほしくないという想いもあります。


以上、私がnoteを作成するに至った簡単な背景と動機でした。

<更新(改訂)情報>
・2024.1.21 初版

今後、必要に応じて加筆修正等行い、常に最新の情報に更新していきます。



【序章】解法を学ぶ前に

【1】まずは過去問を知る

具体的な解法に入る前に、まずは過去問をもとに「出題形式」や「出題傾向」を知っておく必要があります。


出題形式や特徴は、以下のとおり。

裁判所事務官・専門記述問題の特徴
・試験時間は「60分」
・鉛筆ではなく「ボールペン」で記載
・S56年からR5年まで一貫して1行問題の出題
・これまで事例問題の出題はない
・「人権」と「統治」がほぼ交互に出題
・近年は問題文が「誘導形式」が多い
・過去に出題された論点が繰り返し出題


【昭和56年から令和5年】までに出題された専門記述の過去問はこちら↓


上記記事をご覧いただくとわかるように、昭和56年から令和5年まで一貫して、「〜について論ぜよ。」という1行問題形式で出題されています。


つまり、問題を解くにあたっては、自分で答案構成をし、文章を組み立てる必要があります。


例えば、R5年度の本試験では、「報道の自由の意義について説明した上で、取材の自由について論ぜよ。」という問題が出題されたのですが、〜について説明した上、〜について論ぜよという問題であることから、問題文自体が誘導形式になっていることが分かります。


仮に、R5年度の問題文が「取材の自由について論ぜよ。」であったとします。この場合、「報道の自由の意義について説明した上で、」という誘導がない分、出題趣旨の把握と答案構成に少し時間がかかると思います。


近年は、この「誘導形式」の問題が増えてきており、問題文で記載すべき内容をある程度誘導してくれている点においては、【記載すべき内容が把握し易い場合が多く、書きやすくなっている】とはいえます。


【2】なぜ1行問題が書けないのか?

択一式(マークの問題)であれば、ある程度点数が取れるのに、なぜ記述になると何も書けないという現象が起こるのでしょうか。


理由は大きく分けて2つあります。


1つ目は、【1行問題特有の難しさ】にあります。事例問題であれば、ある程度は何を書くべきか事例から推測が可能であるため、白紙答案は考えにくいです。


しかし、裁判所事務官の試験では漠然とした1行問題であるために、与えられた問題文に対して、【まず何から検討し、何をどの程度、どの順番で、どのような書き方で、どのように記載するべきかがわからず、結局何も書けない。】という状況に陥る受験生が多いです。要は、シンプルに解法(書き方)と合格レベルの答案(目指すべきゴール)を知らないことが書けない理由の1つです。


2つ目は、【条文や判例などの法律知識を覚えていないこと】にあります。ここでいう“覚えている”とは、【何も見ずに書ける状態】を指します。択一式の問題が解ける状態というのは、問題を見れば正誤が判断できる状態です。しかし、1肢ごとに解答の根拠を説明できる状態にしている受験生はあまりいません。さらには、解答の根拠となる条文や判例を何も見ずに言える(=書ける)状態にしている受験生は少ないです。


しかし、記述で必要なのは問題文をみて出題者の意図を読み取り、その上で最適な論点を思い出し、さらに何も見ずに条例や判例を書けるレベルです。つまり、記述問題では、理解した上で覚えておくことまで求められるのです。


このように、「択一式が解けるレベル」と「記述が解けるレベル」には求められる能力に差異があるために、【択一式が解けるのに記述になると書けない】という状況が生まれるのです。


ただ、現時点で記述が全く書けなくても必要以上に焦ることはありません。


これから試験までの残り時間で、解法理解し、必要な法律知識覚えていけばよいです。


現時点で記述が全く書けなくても、0から勉強をやり直す必要はなく、【これまでの法律学習がすべて無駄になるということはない】ので安心してください。それに、既に理解をしている部分は記憶に要する時間も短くて済みます。


憲法の択一式問題がある程度解ける状態であれば、本気で2週間取り組めば重要事項の暗記自体はなんとかなります。



【3】記述が書けるようになるまでのSTEPとは?

記述問題が書けるようになるまでの【習熟段階】は、大きく4STEPあると考えています。


記述が書けるようになるまでの習熟段階
⑴条文や判例などの基本知識が理解できていない

⑵条文や判例などの基本知識が理解はできているが、何も見ずに書くことはできない(つまり、覚えていない)

⑶条文や判例などの基本知識を理解した上で覚えているが、記述の解法を知らない

⑷条文や判例などの基本知識を理解した上で覚えており、記述の解法を知っている


自身がどの学習段階にあるのかを把握できたら、次は習熟度別にやるべきことを理解しましょう。

<習熟段階別でのやるべきこと>
⑴の方

まずは基本テキストを理解する

基本テキスト&択一問題集を使用して、重要事項を覚える

本noteで解法を理解する

⭐️分野ごとに答案構成を作成⏩過去問でアウトプット

⭐️弱点や苦手分野を洗い出し、適宜基本テキストと択一問題集に戻り、インプットの補足
(以下、⭐️をループ)


⑵の方
基本テキスト&択一式問題集を使用して、重要事項を覚える

本noteで解法を理解する

⭐️分野ごとに答案構成を作成⏩過去問でアウトプット

⭐️弱点や苦手分野を洗い出し、適宜基本テキストと択一問題集に戻り、インプットの補足
(以下、⭐️をループ)

⑶の方
本noteで解法を理解する

⭐️分野ごとに答案構成を作成⏩過去問でアウトプット

⭐️弱点や苦手分野を洗い出し、適宜基本テキストと択一問題集に戻り、インプットの補足
(以下、⭐️をループ)

⑷の方
⭐️分野ごとに答案構成を作成⏩過去問でアウトプット

⭐️弱点や苦手分野を洗い出し、適宜基本テキストと択一問題集に戻り、インプットの補足
(以下、⭐️をループ)

択一式では問題が解けるのに、記述になると手も足も出ないという受験生は、基本的に⑵の段階です。


本noteは、上記の習熟段階でいう⑷以外のすべての方におすすめです。



<注意>

⑴あくまで本noteで解説しているのは記述問題を解くための【解法】であり、答案作成に必要となる法律知識については網羅していません。そのため、法律知識については、ご自身で基本テキストや択一問題集の解説を用いてインプットして頂くことを想定しています。

⑵憲法初学者ではなく、すでに憲法の学習を一通り済ませた受験生に向けた【解法にフォーカスしたnote】です。

⑶今後、noteの価格は予告なしに値上げする可能性がございます。ご了承ください。


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