見出し画像

オケラディスコ2023【東京国際フォーラム】

私立恵比寿中学(エビ中)の新たな挑戦、「オケラディスコ2023」に行ってきました。

10/7にパシフィコ横浜で、10/22に東京国際フォーラムで開催された両公演に参加しました。
そして、帰宅してからもニコニコ生放送のタイムシフト試聴で繰り返し見ています。

そもそもこのようなnoteを書くくらい楽しみで仕方なかったのですが、私個人としては期待をはるかに上回る最高の音楽体験だったと思っています。


欲張りを実現!

オーケストラとバンドでダンスミュージックにアレンジしたエビ中の曲をライブで実現するという欲張りが高レベルで実現されていた!という印象です。

バラードアレンジでゆったり聴かせそうな曲で4つ打ちのドラムが入っていたり、K-Popっぽい曲といわれていたものにサンバホイッスルで南米のリズムを組み合わせたり、そうかと思えば、木管のきらびやかな音色でさらに輝きを持たせたり、力強い推進力をティンパニが担ったりと、それぞれの曲をより味わい深いものにしていくものと、方向性をより強固にしていくものとが複雑に入り乱れていて、一回では咀嚼しきれない状況です。


ディスコ=ダンスミュージックつまり踊れる音楽、と解釈

そしてその先にあるディスコの部分。
「ディスコ」の解釈は本当に難しいなと思ったのですが、「踊れる音楽」であると理解することが良いと思いました。

東京国際フォーラムでバンドマスターの橋本しんさんもおっしゃっていましたが、【ダンスホール→ディスコ→クラブ(ハウス、テクノ、トランス・・・)】という歴史の流れの中でのディスコ(狭義)は、Soul TrainやSaturday Night Feverの世界ですね。

Bee Geesとか、

ABBAとか、

Earth Wind and Fireとか、

個人的には大好物なので、この狭義の「ディスコ」アレンジだけでも十分に楽しめるのですが、2時間それだけというのもちょっと厳しいですよね。

そこで、もう少し後ろのクラブの時代の4つ打ちが入ってきて、ハウスミュージックの部分まで踏み込んだのだろうと思います。

オーケストラで生演奏で踊れることを端的に表現するタイトルとして、「オケラディスコ」になったのだと思います。
「オーケストラ×ダンス」みたいなタイトルだと場合によっては、50年代の白人ダンスホールだったり、ミュージカルだったり、というイメージを想起させそうですし、「オーケストラ×クラブ」だと電子楽器が増え生バンド感がイメージできない気がします。

タイトルはともかく!

そんなわけで、オーケストラとバンドの生演奏での踊れるライブという観点では、本当にその通りになっていたと思いました。

そして、そんな大所帯のバンドとオーケストラの音圧に負けないエビ中の歌声。現場では一切の不安が感じられない素晴らしい迫力でした。一人ひとりの歌唱のところで、それぞれの個性が音に埋もれずにしっかり聴こえてきて、これまで何度か見たライブの中でも出色の出来と感じました。

さてここからは、一曲ごとに行きます。ニコニコ生放送を見直しながら、なので、東京国際フォーラム版で。



ebiture(オケラディスコ2023ver.)

現場だと細かい音が聴こえず、重低音を乗りこなしていく感じだったのですが、配信を聴いてメチャクチャこだわって作られているなと思いました。音源化希望。

もしかして途中、「ポンパラ ペコルナ」を繰り返してます?
1曲目とのつながりでしょうか。


ポンパラ ペコルナ パピヨッタ

もともと複雑な曲がさらに難解で壮大に。いきなりメチャクチャ難しい。

作曲の菅野よう子さんといえば、個人的にはアニメ・ゲームミュージックよりもこちらですね。


参枚目のタフガキ

探り探りだった横浜と違い、オーケストラ・バンド含めて最初からぶっ飛ばしてるなーという感じでした。

16ビートの打ち込みっぽいリズムセクションと対比する壮大なオーケストレーションが、まさにオーケストラでダンスミュージック、というテーマそのものだったように思います。

「高層マンション低層マンション」のところから、弦楽は半音ずつ上がっていくところ、多少の不協和音感もありながらの緊張感がすさまじいと思いました。そして、「I’m タフガキ~」ですっと抜ける感じがとてもよかったです。


でかどんでん

3曲目にして聴きたかった曲10曲のうち1曲が聴けた!

中山さんの「でぇん!」が聴けて本当に良かったです。中山さん、最初から飛ばしていて「つよい!」と思いました。


歌え!踊れ!エビーダダ!

出だしの桜木さんがいきなりすべてを持っていきましたね。これ、作曲・作詞はさつきがてんこもりさんだったんですね。

打ち込み(風)のリズムの上に乗るオーケストラが世界観を押し広げる感じも「参枚目のタフガキ」と同じようにオーケストラでダンスミュージックというテーマそのものを表現している感じがしました。

ティンパニとチューブラーベルがとてもいいですね。

中人DANCE MUSIC

バンドのリズム隊とのサンバのイントロからのこれぞ(狭義の)ディスコミュージック!フィリーソウル最高!ホーンセクションがとても楽しそうです。

正直、「ディスコ」ということでこの曲を一番聴きたかったので、とてもうれしかったです。

ちなみに、フィリーソウルはこんな感じです。

中人DANCE MUSICは、作曲が日本を代表するファンクバンド(だと思っています)米米CLUBの石井竜也さん。


PLAYBACK

曲がもともと持つ孤高感がオーケストラの荘厳さでより際立ったように思いました。徐々に徐々にリズムが強く感じられるようになっていく感じが、どこまで行くんだろう、どこまで広がっていくんだろう、という期待感につながってとても感動的だったと思いました。

2番に入って、中山さんの後ろでバイオリンのピッチカートがとても好きでした。最後の仲村さん、ぶれなくてとてもよかったですね。

PLAYBACKといえばダンスのステップと思ったのですが、横一列で歌だけというのも意表をつく演出なように思いました。


Summer Glitter

ガットギターのイントロ、サビ直前のサンバホイッスル、雄大さを感じさせる弦楽と、サビのフリューゲルホルンが奏でるメロウな裏メロディが素晴らしかった。このフリューゲルホルンは、過去にちゅうおんでも演奏していらっしゃった丸木英治さんによるもののようです。


ジブンアップデート

個人的にもともと打ち込み系の音楽があまり得意でないということもあって、あまり聴きこんではいなかったのですが、確かにストリングスがディスコミュージック風だったなあと思っていたところ、ホーンセクションも含め今回の生演奏がメチャクチャ良くって、ディスコミュージック的にバチっとハマってしまいました。

1番の最初のところのベース、ゴリゴリでとってもいいですね。


シンガロン・シンガソン

ものすごい贅沢な間奏。それまで裏打ちだったスネアが急に小太鼓になったように感じられたところがとても好きでした。
真山さんと小林さんの自由な感じが今回のライブにフィットしていて「そうそうこれこれ!」と思ってみていました。

アウトロの金管(というよりはホーンセクションという感じ)も気持ちよく突き抜けた感じがしました。


日進月歩

これも大所帯アレンジが絶対にハマると思って聴きたかった一曲。
弦楽によって壮大さが大幅に増したのと、1番Aメロの後ろのチューブラーベルが好きです。

そして、シンプルなバラードにならずにしっかりダンスミュージックにしていく、サビの裏打ちと2番Aメロのものすごい手数のドラムがかっこよかったと思いました。


宇宙は砂時計

ここからの着席パートは、ちゅうおん豪華版という感じで、これはこれでずっと聴いていたい感じのゾーンでした。
ディスコで座るの?と思われた方もいらっしゃると思いますが、その当時にもチークタイムはあったということで。

ストリングスの荘厳なイントロから、木管のキャッチーな1小節を挟んでの4つ打ちとティンパニ。ほんとに欲張りですが、ここだけ何度もリピートして聴いてしまっています。

サビに入って安本さんの前半は引き続き4つ打ちなのに、後半の桜井さんのところから8つ打ち(っていうのか?)になって、仲村さんのところですっと下がる複雑なリズム。
2番に入って、桜木さんのところでのオケのブレイク、サビ前の安本さんのパートのめちゃくちゃ複雑でフルート?ピッコロ?が効いた編曲。本当に素晴らしいと思います。これ、ボーカルレスで配信していただけないでしょうか?

こういう儚い曲は、真山さんの憂いのある歌声と小久保さんの無垢な声がものすごく効いてきますね。
そして最後のところの仲村さんの高音がとてもよかったです。力強くて余裕があって。


星の数え方

Aメロの安本さんの主旋律に呼応するような木管(オーボエだと思うのですがクラリネットかも)がものすごくよくて、このアレンジはほかのライブでも聴きたいなと思いました。

期待通りで期待以上のオーケストラアレンジだったように思います。世界をより強固に力強く表現していたように思いました。


まっすぐ

入りのティンパニですよ。
バラードアレンジでテンポを落とさないところがとても良いと思いました。

この曲にかけるメンバーの歌への気合がとても素晴らしくて、聴き惚れてしまいました。
風見さんのラスト。とても良かった。現場でうんうんとうなずいていました。


One More Time (Daft Punk)

2000年の曲だったんですね。当時、クラブとは縁のない生活を送っていたので、あまり触れることはなかった類の音楽でしたが、DJブースで楽しそうな安本さんにほっこりしていました。


ハイタテキ!

イントロの第九が「本物だあ」と思いながら聴けたのが良かったです。歌の入りがむずかしいよなあ、と思っていたらとってもうまくアレンジされていてエンターテイメントとしてさすがだなあと思いました。

この曲で一番強く感じたのですが、星名さんが本当にずーっと高いレベルで一定のパフォーマンスをしていて、プロだなーと思っていました。


感情電車

この曲の持っている世界観をさらに拡大するような素晴らしいオーケストラのイントロ。サビのティンパニが原動力となって電車が進んでいくような様子がとっても良かったです。
アウトロも壮大で、大団円感がありました。

それにしても、この大きな世界を背負って立っている小林さんはすごかったですね。

「その空」で少しだけタメがあったのが、なんだかとっても思いを感じてしまいました。


なないろ

大団円で終わったと思ったのに、フォーメーションを崩さないなあ、なにかあるのかな?と思った瞬間に桜井さんの声で始まって、「ああ・・・」と崩れ落ちたのでした。

当時はまだファミリーではありませんでしたが、さかのぼって知っている2017年7月16日の東京国際フォーラムでのツアーファイナル。いろいろな思いが満ち溢れた瞬間だったと思います。

2番のAメロのベースが最高に気持ちよかったのでした。ハイポジションでのフレーズがとてもかっこよかった。


音圧を浴びるライブ

これを書くために、何度もニコニコ生放送を見返しています。音楽的な細かい仕掛けはこちらの方が良く聴こえるので、なるほどと思うところはたくさんあり、歌唱についても現場では気づかなかったことがたくさんあります。

ただこれは、現場であの音圧で浴びるように鑑賞するのとは全く違う楽しみ方だと思いました。「オケラディスコ」は現場で体験しないといけないタイプのライブだと思います。次回があったら、万難を排して必ず行きたいと思います!


全部で4,800字になってしまいました。
まだまだ書きたいことが出てきそうです。

本当に音源化をお願いできないでしょうか。できればボーカルレス版も入れていただいて、オケラディスコの世界に浸り続けたいです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?