三元数の破綻について

タイトル通り、三元数のことを考えています。
なぜ考えているかというと、$${n}$$次元球面$${S^{n}}$$が群になるのは$${n}$$がいくつのとき?という問いに向き合っているからです。
(考え中なので答えは教えないでください。楽しみにしています。)

既に「三元数を定義しても演算を考えると破綻する」というネタバレを見ていますが、その議論にいまいち納得がいかない点があり、noteを書いています。
見てくださっている方の知恵を求めています。

一般的に知られているであろう、破綻までの議論を書きます。
まず、

$${X =\{ a1+bi+cj | a, b, c\in \mathbb{R} \}}$$
(ただし、$${1 \in \mathbb{R}}$$であり、積$${\cdot }$$が存在し$${\ i\cdot i=j\cdot j=-1}$$とする)

とします。
この時点では$${i, j}$$が何者かは不明ですが、二乗したら$${-1}$$になるということだけわかります。
捉えづらい存在ですが集合はこれで定義でき、次に$${X}$$に積$${\cdot}$$を分配法則が成り立つように与えます。

ここから先が破綻に繋がる話です。
$${X}$$の元の積を考えると、$${i \cdot j}$$や$${j\cdot i}$$を含む項が出てきます。
演算が閉じていて欲しいので、$${i\cdot j\in X}$$と仮定します。
$${X}$$の定義より、ある$${a, b, c \in \mathbb{R}}$$が存在して

$${i\cdot j = a1 + bi + cj}$$

と表せます。
ここで、両辺に左から$${i}$$を掛けます。

$${i\cdot (i\cdot j) = i\cdot (a1 + bi + cj)}$$

右辺は計算すると、$${(ac-b)+(a+bc)i+c^{2}j}$$となります。
私が理解できているのはここまでです。
ここから先は、

左辺は$${-j}$$となり、右辺と左辺で同類項をまとめ、係数がそれぞれ$${0}$$となることから得られる式$${c^{2}+1=0}$$によって矛盾が生じる

という流れです。
これが正しければ、背理法より仮定$${i\cdot j\in X}$$が間違っていたということがわかります。
私が気にしているのは太字部分で、$${i\cdot (i\cdot j)=-j}$$としているということは、結合律$${i\cdot (i\cdot j)=(i\cdot i)\cdot j}$$が成り立つことを使っているはずです。
四元数まで拡張すれば結合律は成り立ちますが、三元数の定義では結合律が成り立つかはわからないと考えています。

ご意見をくださる方がいらしたら、コメントでご教授お願い致します。
文章で疑問を伝える力を鍛えている最中で、冗長又は説明不足な点があったと思います。
ここまでご覧くださり、心よりお礼申し上げます。



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