「月に憑かれたピエロ」に憑かれた僕(4)
「月に憑かれたピエロ」(以下「ピエロ」)は、オーストリアの作曲家アルノルト・シェーンベルク(Arnold Schönberg, 1874 - 1951年)による、アンサンブル伴奏付き連作歌曲(全21曲)です。
先にお断りしておくと、この記事は「ピエロ」の紹介記事・解説記事・ファン記事のどれでもありません。
なので、「ピエロ」自体について詳しく知りたい方は、こちらに川島素晴先生(作曲家・国立音楽大学准教授)の素晴らしい記事と演奏動画がありますので、そちらを御参照ください。
正直、なんの曲でもよかったのかもしれませんが、僕は指揮を始めたころのある時期「書かれた音楽作品をどう読み、咀嚼し、音にするか」というプロセスにおいて、とても大事なことを、たまたま「ピエロ」という作品に教わったので、その話です。
僕がこのイカれた作品とどう出会い、どう取り組み、これからどう向き合ってゆくか、というコボレ話。
10)初挑戦に踏み切るまで
11)第1部、Collage Concerts
12)ラミーナの卒試助演
10)初挑戦に踏み切るまで
もうその時はわかっていました。ある音楽作品を演奏した後、「あー、いや、こうした方がよかったかも。」となることがほとんどだと。
※ポジティブ/ネガティブどっちでもあるし、どっちでもありません。。。
大抵の場合は、やらなければ行けない状態だったりするので、それでも勇気をだして「えいやっ!」とやります。しかし「ピエロ」という曲は、もう僕には「数ある音楽作品の1つ」ではなくなっていました。
それでも「えいやっ!」という気になったのは、
「上手くいかない気がして怖い」
よりも
「やってみないと分からないことがある」
「次に進むためにはやってみる必要がある」
が強くなった!
そこまで至るまで、長かった。。。
11)第1部、Collage Concerts
初めて僕が「ピエロ」を一緒にやった歌手は、当時アイスラーにいたRamina Abdulla-Zade。
その直前にあったアイスラーの作曲科コンサートでSusanne Stelzenbachの「vis a vis」をやっていて衝撃的でした。その時のビデオがこちら!
彼女は既にペーター・エトヴェシュ財団のマスタークラスで「ピエロ」を歌った経験がありました。なので色んな面で助けてもらいながらの、第1部(第1〜7曲)でした。
↓↓↓当時のプログラム。ベルリン音楽大学「Collage Concerts」にて。
※余談、この時期に僕はアイスラー現代音楽賞(Hanns Eisler Forum für Interpretation Neuer Musik)で第1位を取り、翌年あたらしくなったベルリン両音大の作曲科作品演奏「Forum Neue Musik」を公式に任されたり、管弦楽法の修了試験のオーケストラ指揮を任されたり、いろいろもらってました。
12)ラミーナの卒試助演
彼女はその時、修士修了リサイタルを控えていて、ボクらは「ピエロ」の抜粋を演奏することに。その時のプログラムは
第2曲「コロンビーナ」
第6曲「聖母」
第7曲「病める月」
第17曲「パロディ」
第21曲「おお なつかしい香り」
その時に聴きに来ていた、オペラ演出科の教授Claus Unzenに
「よかったら、コレ、演出家志望の学生の企画でやらないか?」
と誘われたのが2016年、夏前!
第5回に続く!
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