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ネットのカラクリがよくわかった【業界本の要約】

「インターネット業界のカラクリがよくわかる本」という書籍を読んだので、特に興味深かったポイントを紹介します。

HaSoNeの法則

HaSoNeはハードウェア、ソフトウェア、ネットワークのこと。
HaSoNeの法則には3つの法則がある。

法則1:5Fに変化を強いる
5F(ファイブ・フォース)は新規参入業者、買い手、競争業者、売り手、代替品のこと。
HaSoNeの性能に変化があれば5Fもそれに合わせて変化せざるを得ない。

法則2:互いに変化を強いる
HaSoNeのうちいずれかの性能が向上したとき、その要素は他の要素に対して性能向上を促す。
特にHaSoNeのうち2要素の性能が向上した場合は、残る1つの要素の性能向上が強力に促進される。

法則3:パフォーマンスはボトルネックに依存する
HaSoNeは組み合わさって機能する。
全体のパフォーマンスは3要素の中で最も性能の低い要素に依存する。


HaSoNeの法則2の実例

90年代初め、マルチメディアパソコンが登場。
現在のパソコンのように、テキスト、音声、画像を一台で扱うことができる。

これはハードウェアの性能向上と捕らえることができる。

92年にはマルチメディアパソコン用メディアとして、CD-ROMが人気となった。
マルチメディアパソコンで扱えるコンテンツを記録できる。

これはハードウェアの性能向上によってソフトウェアの性能向上が促された結果と言える。

更にインターネットのWWWが登場し、ネットワークを介してコンテンツを楽しめるようになったが(ソフトウェア性能の向上)、ネットワークは高価で遅かった。

ハードウェアとソフトウェアの2要素がネットワークの性能向上を強力に促した結果、90年台初頭の通信速度9,600bpsは28,800bpsまで伸び(アナログの限界)、デジタル回線(128kbps)の定額制サービスが登場した。

90年台末には更に定額で低額、かつ高速のADSLが登場し、ブロードバンドの時代が始まった。(ネットワーク性能の向上)


アマゾンについて

通販型とマーケットプレイス型
アマゾンは主に2つのビジネスモデルを持っている。
1つは、自社で在庫を持ち注文があれば配送するビジネスモデル。

これを「通販型」という。

もう1つは、既に持っている販売システムをサードパーティに貸し出し、手数料を得るというビジネスモデル。

これを「マーケットプレイス型」という。

コストのリーダーシップ戦略
経済学者マイケル・ポーターによると企業の基本戦略は3つ。

1.コストのリーダーシップ戦略
2.差別化戦略
3.集中戦略

1は業界全体において安さで勝負する戦略。
2は業界全体において独自の要素で勝負する戦略。
3は業界の特定のセグメントで1.か2.を行う戦略。

アマゾンの売上は2002年の39億ドルから10年で611億ドルまで大きくなっている。
しかしその営業利益率は一貫して低い(2012年は1.1%)。

ITと物流に旺盛に投資しているのである。
投資によって売上が増え続けているため、利益率を低くしても利益は大きくなる。

コストのリーダーシップ戦略を愚直に実行している企業であるといえる。


これまで読んだ本についてはこちらでまとめています。

ぜひ、読んでみてください。

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