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星野リゾートの企画タイトルで、いつも迷走してしまう話。

はい。表題の通りです。


私はこちらの施設で広報という仕事をしております。

広報の仕事はさまざま。
テレビや雑誌にPRしたり、PR用の写真撮影の準備をしたり。雑誌やテレビの校正のお願いをしたり。

そんな中で、毎回苦労するなーと思うのは、
「リリースのタイトルをつけること」。
リリースというのは、各施設から発信するニュースをまとめた資料です。
こちらのページに書いているようなイメージです。
このリリースを書くのも、タイトルをつけるのも、広報のお仕事です。


例えば、こういうタイトルは、めちゃめちゃ素敵。

別府といえば地獄!
「地獄」をテーマに夏の宵を楽しむ 「地獄の夏祭り」開催


……いや怖いよ?
地獄の夏祭りって何ぞ。
想像できるようで出来ないタイトルが秀逸すぎます。
「別府といえば地獄!」も、なかなかのパワーワードですよね。
思わずクリックしたくなる言葉が躍ります。


他にも、こちらのタイトルはめちゃめちゃ秀逸。


~周りの目なんて気にしない!にんにくでパワーチャージ~
にんにくが主役のおつまみと青森の地ビールを楽しむイベント
「にんにくビアテラス931(キュウサンイチ)」

こちらは想像できる内容でありつつ、一般的にはどーしても気にしてしまうニンニクの匂いについて、
「周りの目なんて気にしない!」と言い切っている
ところが力強くて魅力的。


ね。タイトルを考えるのって、楽しそうでしょう?
いやいや、意外と難しいんですよ。
どこが難しいかって。


事実でありながら、ぱっと目を惹くキャッチーさを生む
ことです。


例えば、大変苦戦したのが、こちら。

新たに魅力的なパブリックエリアが完成した、という内容です。

私は本文を書き上げたあと、真っ白なタイトル画面を横目に、A3用紙にとにかく思いつく単語を書きなぐりました。

奥入瀬渓流、国立公園、大自然、渓流、感動的な、せせらぎ、自然、不思議、ワンダー、ディープ、神秘、雄大、空間、パブリックエリア、どっぷり浸かる、あふれる、心震える、心揺さぶる、ワクワクする、新発見、誕生、新登場、出合う、見つける、気づく


次に、上記のワードを適当に組み合わせていきます。


・自然の魅力あふれるワンダーなパブリックエリア「渓流-BASE」新登場
横文字が並ぶことで、若い印象になってしまいました。
どういう空間なのか、なんだかイメージできません。
同僚の広報から、ストレートに「なんかダサいです…」と言われました(笑)私もそう思う。


・国立公園で自然の魅力に心躍るパブリックエリア「渓流-BASE」誕生

悪くないのですが、どんな自然の魅力なのか、どんな空間なのか、もう少し深堀りしたいです。
並べているワードも一般的すぎて、目を惹かないかも。

・雄大な国立公園で自然の神秘に出合うパブリックエリア「渓流-BASE」誕生
お、いい感じかも?
しかし、自然の神秘が少し大げさかな。
まるでパブリックエリアにホタルが飛び交い、月光が注いでいるみたい。
「神秘に出合う」を言い換えよう。「感動的な自然の不思議」とか?

・雄大な国立公園で、感動的な自然の不思議を感じるパブリックエリア「渓流-BASE」誕生
お、いいぞいいぞ。空間が大自然に囲まれていることがわかる。
しかし「感動的な自然の不思議」ってなんだ。
「感」が重複しているのも気になる。
「感動する」を言い換えよう。
「魂震える」?
それは盛ってるかも。「心揺さぶる」でどうだ。


・雄大な国立公園で、心揺さぶる自然の不思議を感じるパブリックエリア「渓流-BASE」誕生
おお、悪くない? 空間も体験も表現できてる。いいかも。……本当に良いか?

ここまで来たら周りのスタッフ聞きまくります。
魅力的か? 伝わるか? 嘘じゃないか?
自分は頭が凝り固まり、ゲシュタルト崩壊手前。
周りのほうが、フレッシュでニュートラルな意見を送ってくれます。



数人から問題ないとコメントがもらえると、校了です。
実際にはこの10倍くらいの時間と回数をかけて、試行錯誤しています。



大変ですし、得意じゃない作業ですが。
そうやって世に出たものは、愛着がわきます。


「このリリース良いですね」と評価されれば、嬉しいですし。
でもまあ、得意じゃないのも事実なので。
noteのタイトルセンスも苦手なので、得意な方はぜひぜひアドバイスもらえればうれしいです。

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