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おとなしく帰りましょう

昨日は、長男のことで赤十字病院を受診した。
いつぞや書いた、気管切開部の肉芽の手術の件だ。

園の長男担当の看護師さんと、耳鼻科外来で待ち合わせた。
看護師のSさんは、長男が在宅のころに入院した病院に勤務していたが
家族が増えて遠距離通勤が難しくなり、自宅から近い今の園に来たのだった。
マル太郎のことをすでに知っていて、彼も最近、保護犬を飼ったので、「お辛かったですね」と共感をしめしてくれた。

長男の園での様子をいろいろと教えてもらい、Sさんの3人の小さいお子さんたちの話をしたり、Sさんもコロナ感染して以来ずっと咳がとれず時々咳込むことに気を使うということなど、あれこれと話す。
やがて「なかなかガッツリ待ちますね!」なんて、痺れが切れてくる。
最初の受付からたっぷり1時間後に、ようやく名前が呼ばれた。

先日の検査入院ではCTを撮ったが、手術をするにあたっての問題はなかった。それで、10月に実施しましょう。術前の検査をするが、何か予定外の検査が必要になった時のために、1ヶ月半ほどの余裕を見て、術前検査は8月に実施しましょう。それは一日掛かりなので、その予定で来てください。

という、主治医からの説明があった。
前もって「一日掛かり」なんて言われるってことは、実際はもっとかかるんじゃないかな、暗くなるまでかかるのかも知れない。
「その日もおれが来ます。病棟に届けておきます」「交代で休憩しながらがんばりましょう」なんて、心強いことを言ってくれる。

長男はオムツ替えなどの処置のとき、Sさんの腕をさっと掴んでくる。
Sさんが長男に「〇〇さん、これじゃ何もできないよ」と困った口調で言うと、ニヤニヤ笑うのだそうだ。
「からかっているんですよ。先輩お手柔らかに、です」と言う。
「え、先輩ですか?どのくらい?長男は36歳ですけど」
「じゃあ、6つも先輩だ」
うわー、そうなのか。
Sさんは私の息子よりそんなにもお若いのか。
息子はそんな若い人のお世話になっているんだな。
ああ、思えば遠くへきたもんだ(笑)


息子が在宅で20歳を過ぎた頃だったか。
受診して、外来で待っていると
「〇〇くんですよね。僕は同級生でした。今日は実習で来ています。
すこし診察ご一緒しますが、よろしくお願いします」
丁寧にそう挨拶してきた青年は、確かに、幼い頃の面影があった。
もう同級生たちはこうして社会に出ているんだなと感慨深かった。
長男と私の時の流れが止まっているような気がしたものだ。

このごろは、同年くらいの男性を見ると、長男を重ねて眺めているので
なんだかその人も親戚みたいで、親しみを持てる。
だからおばちゃんのおせっかいも、発動しやすいかもしれない(笑)

2時間の受診は終わり、さて会計となって表示された金額を見てガクゼンとする。バクゼン、ガクゼン。
え?一桁、いや二桁、違いませんか?
だって今日はお話聞いただけですよ?
このコンマは小数点じゃないですか?(なわけない)

持ち合わせがあまりにも足りないと言うと、Sさんは
「前回の入院費、払いました?」と。
う、うわっ!!
払ってない!!
やっちまったよ。
入院逃げしてた。無銭入院!

まあ仕方ないか。
あの日はマル太郎の顔を早く見たくて
その気持ちだけだったんだから。

今度の日曜に、園の「居室懇談会」というのがあってまたこの街にくる。
その時にささっと支払うことにした。
どっと疲れた。

スタバ行きたいな~と思っていたが、もういいです。帰ります。
こういう時はおとなしくおうち帰りましょう。

暑い中を1時間運転して戻った。
今は、マル太郎ももう待ってはいない。
いや、一緒に行ってきたんだもんね。
お疲れでした。

ご飯食べて昼寝をした。


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