入院雑感
コロナ禍以来、病院の面会風景は一変した。
感染ピーク期は面会そのものができなかったが
少し緩んでからも、一人しか許されず10分間だけ、などだった。
今ではだいぶ緩いとはいえ、面会のできる時間帯は決まっているし
実際、一昨日入院した義母に面会に行ったら、午後2時~4時、15分程度、となっていた。人数制限もあるのだろう(一人で行ったので聞かなかった)。住所氏名、続柄、熱測定、身近に感染症の人の有無、など記入してから、病院内に入る。
入口、エレベーター前、病棟入り口、ナースステーション受付、病室などなどに、手指消毒のスプレーが設置してある。強制はしていないが、その気になったらなるべくしてね、という風情を漂わせている。
急な入院だったので、肌着などを持って行ったのだが、この頃はケアサポートセットなるものがあって、入院用品のほぼすべてがセットで提供されている。これは入院時に申し込み、費用は医療費とは別途に、請求書が来る。
ケアサポートセットは、来月の長男の入院に際しても、申込書が送付されて来ていた。
肌着を1週間ぶんほど持って行くと、このケアサポートの病衣と肌着を着ていた。看護師さんによれば、肌着と紙パンツ付きのセットを義母は選んだらしい。点滴が必要なので、肌着は前あきになっていた。
ほかに、フェイスタオル、バスタオル、歯みがきコップ、歯みがきセット、ティッシュ等々。
入院!と言うと思い浮かぶ、洗面器とか、箸、スプーン、歯みがき道具、タオルに下着にあれにこれに・・・というものが、セットになってそこにあった。
「あれま!」という感じだ。
「なんでも貸してくれるんだよ~。トイレもココにあるし」
いつも、昨日生まれたてみたいに何でも驚きで表現する義母が
ちょっとパワーダウンしながらも、驚いて言った。
いやー、これは、私も昨日生まれたての気分だった(笑)
腎臓の石を除去したら退院、と聞かされていたが、そんなに単純でもなく、
義母によれば、来月になったら手術、という話だ。
義妹と義母の言う事が違うし、その「石」がどういう性質のもので、手術はどんなものかわからない。腎臓がどういう状況なのかもわからない。
近々、夫と二人で医師の説明を聴きに行こうとなった。
帰りながら、昭和の頃の入院、お見舞い風景を思い出す。
面会時間なんか、あって無いようなものだった。
まだ幼児だった長男と入院していた頃は、出勤前に夫が顔を見せたり、そこで一緒に朝ごはんのおにぎりなんか買ってきて、食べたりした。
午前にも午後にも、病棟には、花やお菓子を携えて来る人が見受けられた。
来てはゆっくりして、一緒にお茶を飲みながらテレビを見ていたり。
症状が軽ければ入院患者が、お見舞い人を接待してたり(笑)
いい加減と言えばいい加減、のんびりといえばのんびりした風景だった。
今は、花さえ持って行けない。
この頃、お葬式にしても、面会にしても、あっさりとした傾向だが
良かったと思っている人は、案外多いんじゃないかと思う。
私もその一人だから。
今日は義弟が関東から来る。
母親思いで、毎年2度は顔を見に来る。
入院は、さぞかし心配だろう。
この家族のカリスマ的存在の彼は、病気について詳しく知りたがるだろうけども、家族はだれも(病人本人も)まだ、あまりよくわかっていない。
あいにくの連休中、医師に会うこともできない。
長い入院になりそうだから、義弟には追々、説明して行くことになる。
甘いものが好きな義弟に、なにかお茶菓子を買って来よう。
そういえば、夫と義弟が顔を合わせるのは何年ぶりくらいか。
ずっと仕事の都合(やゴルフの都合)などで会えないでいた。
こういう時くらいは、最優先で会いましょうよね(笑)