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今日のはじまりに

朝の爽やかさが残る庭に出たら
名前を知らない小さな花が咲いていた

勢いづく夏草の只中で
そこだけ、ほんのり咲いていた

なんとなく目が離せずに眺めていたら
心地よい風が花を揺らしてとおりすぎ
何だか腑に落ちた

日が昇り、沈み
日盛りには命がしおれ
夜露に息を吹き返す

この花は
明日の朝に咲くことはないのかも知れない
だけど今はひっそりと風に吹かれている

何を抗うことがあるだろう
さまざまなことは、なるべくしてなり、なるようになる
はじまる命と終わる命の途中にある命というだけ

今日も暑くなる空の下で背中に太陽の熱を浴びながら
草や虫や自分について
何だか腑に落ちた
一日のはじまりに

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