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朝歩く

マル太郎がきっちりした散歩ができなくなると
毎月通っている整骨院の先生が「バクゼンさん、自分のために歩いてください」と言った。
それまでは、マルとの朝夕の散歩が「歩行」だった。

その整骨院は「歩行」を基本にしている。骨盤を整えるための正しい歩行を教えられる。
歩くスタイルは、腕を90度曲げて、肘を締めて振る。陸上部の人がよくやっていたなぁと思う。
こんなおばさんが、帽子をあみだにかぶって、えっさほいさと歩くには、ちょっと恥ずかしくて、私は中途半端な目立たないスタイルでやっていた。

言われたことをやっていないから、体の痛いのが治らないのだろう。
整骨院に行くと、骨盤のゆがみを直す施術が20分ほどと、頭と骨盤の冷却が30分間ある。歩行はいい加減だけれど、この施術と冷却のために通っていた。(冷却についてはかなりの説明が必要だし私も勉強不足なので、今回は触れません^^;)だから毎回「バクゼンさんに治す気がないと」と言われるのが耳に痛かった。

先生は理論と実践の人だ。「構造医学」という分野にいる。
柔道整復師から「構造医学」の先達に学び、若くして独立した。
40歳くらい?もうちょい前?に見える。
まず印象的なのがその物腰の柔らかさと芯の強さ、ある意味頑固さ。
しかも常に笑みを含んだ目元の涼しい、美青年である。
さらに、細かい所にまで目と気が行き届く。ときどきグサッ!(笑)

その先生が「バクゼンさんはわかっていると思うけど」とか「あえて歩いていないとは言いませんが」とか、内心ひえええ!!と恐れ入るようなことをよく言われる。さぼっているのをお見通しだ。

私もハタと気が付いた(いつもながら遅い)。遠い街まで運転して、じわじわと遠回しにお叱りを受けて、高い診療代払って、いったい何やってんだ。

私は先生の話が聞きたくて、通っているのでもあった。
日本人の現代風の生活習慣が骨盤をゆがめ、体全体をアンバランスにして、内外いろんな病を引き起こしている。外の刺激に振り回されすぎている。もっと体の内界に意識を向け、静まって、自分の体の中心を感じる習慣を育てましょう。
禅みたいなことなのかな(禅知らんけど)。

骨盤の話をするとき、先生は踊る。日本舞踊には体の中心に向かう動きがある。そして縄を綯(な)う。剣を振る。
けん玉や竹とんぼ、お手玉、竹馬の動作をする。
昔の日常にあった動作をやって見せる。これらはみんな、体の中心を意識するための日本人の知恵だという話をする。

雑巾がけや竹ぼうきによる掃除、四つ這い歩行、お手玉・・・
通院するようになって2年くらい。ブランクがあったので通算5年くらいになるが、そういうたくさんの「宿題」があった。
2カ月くらいで別の宿題が出る(これもさぼっていた)。
先生は毎日毎時間、どうしたら体の中心を意識する生活習慣ができるのか、いつも試行錯誤しているんだと気が付く。

朝、歩きながら、言われたことがよみがえる。
「肩甲骨を締める」「肘を締める」「丹田を意識する」「内くるぶしに重心を置く」「足の親指側に重心を置く」
これらを思いながら、実際ちゃんと腕を曲げて肘を締めて振りながら歩くと、自分の脚の出し方がおかしいと感じる。素直に前に出ていない。これでは体の中心がずれていくだろう。

普通に散歩していた時は、いろんな事を考えたり、鼻歌を歌ったり、音声配信を聴いたりしていたが、こういろいろと留意点を意識すると、そのことに集中して、つまり自分の体の内側を意識しながら、歩いている自分を発見する。
人の目が恥ずかしくない(笑)

私は左脚がいつも疲れるが、これが改善されて、どちらの脚も平気で歩くようになれば、骨盤の歪みが治ってきたということになるのだろうか。

40分弱歩き、適度に汗をかいて帰る。
筋肉疲労の後は、なるべく時間を空けずに大豆プロテインのシェークを飲む。そんなことを真面目にやるようになって、今のところ1カ月くらい続いている。

これから雪が積もり、なかなか厳しい環境になる。
歩く代わりに、家で雑巾がけなんかをすることになるかな。
家が綺麗になっていいんだけど、歩く方がいいなと思う。
掃除、嫌いだし。
そこも矯正していきたいんだけどな~(;^_^A

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