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マイカーに乗って


今日は朝から頑張って掃除をした。
急かれるようによく体が動いた。
ひととおり終わって、買い物に出た。
銀行をまわり、ホームセンターにわとりでいくつか買い物。
帰って、買ってきた物をおさめて、マル太郎と散歩に出た。

マル太郎は近ごろマイカー持ちになった。
ペットカートで検索して、購入したのだ。
乗り心地は、聞いてみたことはないからわからないが
押し心地はいい。カーブも滑らか。


マルカー🐕

歩いていると、声を掛けられる。
「お犬さまだこと」なんてつぶやくばーさんは無視する。
「どうしたの、お年寄りなのかな」と言ってくれるおばさまには
はい、もう歩くのが大変になって、とわけを話す。

一昨日、小春日和の午前中に高速道路の側道をぽくぽく歩いていたら
近くのバス停に向かうと思しきおばさまから声を掛けられた。
「うちも去年の春まで柴犬がいたのよ」
年を聞かれたので「14歳です」と答える。
「うちは15歳だった。病気になって3ヶ月介護したけどね」
「最後の日は、お父さんが家に居てくれて、ずーっとそばにいてね。
ほんとに静かに、すーっと亡くなったんですよ」
聞いているだけで涙がじわっと溜まってくる。

「何を食べさせていいかわからなくて」と最近の悩みを言ってみる。
「うちも食べなくなったけど、不思議と、ポカリだけは飲んだんですよ」
ふーん。結構甘いけど。口当たりがよかったのかな。
何か口に入れてほしいとなると、いろんなものに行きつくんだなぁ。
おばさまのその時の気持ちが、今の自分にはよくわかる。

今日は自転車の鍵を買ってきた。チェーンのやつ。
これをマルのカートに使おうと思う。
動物病院は散歩コースにあるので、晴れた日には散歩がてら行ける。
チェーンがあれば、玄関先に駐輪?できる。
明後日の受診は、晴れるといいな。

午後の散歩に出た。風はもうかなり冷たくなっていた。
いつも、マルの後ろ姿を眺めながらカートを押す。
西山に沈もうとする夕日を眺めながら、マルは何を思うのかな。

向こうから、お向かいの奥さんが来た。
「あれぇ、乳母車に乗っちゃったの!?」
いつも快活で、ひょうきんな奥さん。
「そうなんです、歩くのが大変になって」
今朝も排泄に連れ出した時に家の前でご挨拶したのだった。
「自分で歩かないと寒いでしょう。ヨシヨシ、いい子だね」
頭をなでなでしてくれた。
「ほんとですね、コートか何か着せようかな・・・
もう犬だか何だかわからないですよね」と言うと
「わはは、ほんとね!」とニコニコしながら遠ざかった。

犬だか人間だかもうわからない。
どっちでもいい。
毎日一生懸命生きてる、大事な命、それだけだ。
一緒にがんばろう、マル太郎。


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