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さりげなくていねいに

昨日、月2回のお茶の稽古だったんですが、楽しく過ごして帰ってきて、
なんかなー、自分の生活センスのなさにちょっとゲッソリでした。
先生と比べることにもう無理があるのは、百も承知ですが
あまりにも、丁寧さが違って、自分をはじゅかしく思いました(;^_^A

先生のお宅はけっして、お屋敷ではなく、趣味や趣向を押し出したようなおうちでもなく、ごくごく普通のこじんまりとしたおうちです。

しかし、玄関までのちょっとしたスペースは季節の花が咲き、戸口には小花がこんもりと咲く鉢植え。引き戸は降雪時以外いつも開け放たれていて(網戸の引き戸)、ひんやり小暗い玄関土間には、やはり季節のお花が活けてあって。もっと隅っこには、夏野菜がカゴに盛られています。「帰りに必要なだけ持って行ってね」なんて言ってくれます。

玄関あがってすぐのリビングに入る前に、手を洗うようになっていて、それはお稽古のためでもあり、重度障害のある息子さんの衛生面のためでもあります。お稽古の日はそこに柄杓や茶筅、茶巾が、洗面器に浸されてスタンバっています。

リビングはお茶室(兼、仏間)と二間続きで、格子の衝立や戸棚などがつやつやと涼しげで、テーブル仕様です。なんか、レトロな「洋間」(うまく言えない(;^_^A)に紛れ込んだみたいです。
この空間に、数々の茶道具も仕舞われていて、季節ごとに取り換えるような大物以外は、ほぼこの部屋で調達できます。

テーブルにはお茶菓子(昨日は六花亭の水ようかん)と、点前のとき茶室に運び入れる道具類。
それと、私がいつもガン見してしまう、茶杓の「銘」のアイデア帳。
(抹茶を掬う茶杓は普通使いの場合、季節にちなんだ名前を自分でつけます。これが楽しいんだなぁ~。お客さまが茶道具の拝見を所望されたときに、答えられるように準備しておきます)
月ごとに、先生が思い浮かべた名前がメモってあります。
歳時記からもってくることも多いようです。

昨日は7月の銘として「七夕・天の川・笹舟・清流」がありました。
昨日は2人が稽古をつけてもらいましたが、「天の川」と「清流」を使いました(茶杓そのものは同じもの)。

床の間の掛物は「葉々起清風~ようようせいふうおこる~」。
漢詩に出てくる一節だそうで、知人とのお別れの朝の様子を歌っている五言絶句の一部らしいです。
葉っぱがさらさらと風になびいて、お別れを告げているような感じでしょうかね~、ということでした。

茶花は、薄紫の萩の花。
籠に2本くらいが、すとんと活けられていました。

こんな様子なので、先生の茶室では、昨日のあのドツイタレ猛暑もやわらぎます。エアコンは入れていたとはいえ、扇風機の風で玄関から外の空気を回し入れていて、心地よい空間でした。

お手洗いにも紫の一輪が挿してありました(名前は知らないのですが)。

お昼にはまだ時間があったので(ご主人がお昼上がりします)、ちょっと小腹の足しにと軽い食事がありました。稽古ばっかりでなく、同じ障害者の親同士でのいろんな積もるお話ができる時間も設けてくれます。先生もいろいろ話したいことが溜まっているし。
夏野菜をコンソメゼリーで寄せたものと、冷凍ものだけど、と言って熱々のピザを出してくれました。

耳の付いた藍色の染付のスープカップに、ひんやり透き通った寄せものがふるふる。具は、7ミリ角くらいのトマト・きゅうり・パプリカ・大葉。
にゃ~~~、憧れます。こんなお料理をさりげなく振舞えるなんて。

お稽古でお邪魔すると、必ず、先生みたいに整った暮らしがしたいなぁと思います。
帰って来て現実を目の当たりにして、うなだれます(笑)



写真は、前回のお稽古で使ったお菓子です。
琥珀糖の天の川。
柚子風味(薄色)と、ラムネ風味(青色)です。
お星さまはレモン味。

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