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コロナ禍で増える貧困・・・もし、あなたが犯罪にまきこまれたら?「まず最悪な状況を想定せよ」身辺警護経験者が語る”護身術”

「安全な国、日本の盲点」

この記事を執筆している2021年3月18日現在、日本を含め、世界はコロナ禍である。

それに伴って失業、貧困が日本でも深刻化してきた。

通常、貧困が深刻化すると犯罪が増えるが、日本は「世界一、治安のいい国」を自負しているだけあって、この状況でも犯罪率は減少傾向である。

ただ、これは統計上の話であり、実際は発覚、立件にまで至らない「表面化していない犯罪」はどうであろうか。

「犯罪」というのは、見知らぬ誰かに、突然、危害を加えれることだけを指しているわけではない、と私は考えている

その証拠に、DV、虐待、自死といった「身内で起こる犯罪」は増加している。(自死も、その人をそこまで追い詰めたという意味では社会的犯罪と、私は解釈している。)

実際にそういった危険に遭遇する時、自身を助けるためにあるのが「護身術」である。

この記事では、TVなどで報じられる犯罪から、表面化しづらいDV、虐待、いじめ、自死まで、包括的な「護身術」を、私なりの経験と知識で段階的にご紹介していきたいと思う。

第一回目は、そもそもの「護身術」のイメージからくる「見落としがちなこと」を記したいと思う。

誤解だらけの「護身術」

「護身術」と聞いて、あなたはまず、なにをイメージするだろうか?

警察のSPや民間のボディーガード、はたまたアクション映画のようなカッコいい格闘戦術を展開する格闘家や武道家だろうか。

これらのイメージは当たってるとも言えるし、間違っているとも言える。

確かに、襲撃してくる狼藉者を倒す格闘戦術は護身術の花形とも言える

と、同時に、護身術の中では最も最悪な状況であり、本来、「未然に防いでおくべき事態」でもあるから、「格闘戦術」ばかりに着目していては、本当の「護身術」にはならない、というのが私の考えだ。

偉そうに言っている私は何者なのか、簡単にご紹介したいと思う。

私は28歳の時に興味本位で総合格闘技を習い、35歳の時に合気道・護身術を教える道場に入門。翌年には初級合気道と護身術インストラクターを務めていた。

37歳の時に関西に渡り、主に京都で、合気道の源流となった大東流合気武道の一派にお世話になり、そこで合気柔術、剣術を習った。

京都での仕事は警備員だった。普段は工事現場や商業施設の交通誘導警備に従事していたが、武道経験者ということで身辺警護も担当することもあった。

実は警備員は身辺警護に限らず、一見、ボーッと立っているように見える交通誘導警備から施設警備、貴重品及び危険物運搬警備、イベントなどの雑踏誘導警備員に至るまで、「警備の基礎知識」として刑法で定める「正当防衛の範囲」から「緊急避難の定義」といった「護身術の基本的な心得」ともいうべき重要なことを、研修で学ぶ。

ここではあえて詳細は省くが、この2つは護身術を行使するうえで大変、重要である。

「戦うことが護身術のすべてではない。」

前述したが、暴漢と格闘するのは「最悪の状況」であり、「未然に防ぐべき事態」である。

実は「未然に防ぐ」ことが護身術で最も重要であり、一番、難しいことなのだ。

とはいうものの、手段自体は簡単である。

ざっくりいうと、「危険な場所に行かない。」「戸締り用心」「人気の少ない場所や通りを無防備で歩かない。」などなど、言われてみれば、ごく普通のことが多い。

結論から言えば「普段から気を付け、備える。」という単純なことである。

ところが、人間というものは「普通のこと」「単純なこと」になると、驚くほど注意を払わなくなる。つまり「危機意識の欠如」だ。

簡単な例を挙げよう。

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