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完結編を見届けた人が書く、偏りのありまくりな感想

『もぐら殺人事件』がアーカイブまで完結したので、感想を書いていこうかなと思う。
後ほど触れる犯人さんのこと抜きにしても観て欲しかったが故に、珍しく視聴を促すnoteを書いた程に、たくさんの人にこのシリーズの最後を見届けて欲しいと思った程に、ラストシーンは完結編に相応しい、本当に温かなものとなっていた。

Ⅰ(笑えないクリスマス)、Ⅱ(クリスマスイブの事件簿)に出てきた場面やアイテムを引き継ぎつつ、今回はタイムループすることによって展開されていく物語、面白かった。足ツボマットがまじで痛そうすぎる。

開演前のモニターに映し出された防犯カメラの映像。しばらく誰もいない様子が流れていたが、気がつくと平井さんが映し出されていた。
「何してるんやろ」と思いながら眺めていたら、作家さんに羽交締めにされ消えていったので笑ってしまった。本編の中でのタイさん曰く、イカれたので病院送り(要約)とのことで、平井さんは今回不在。

基本的にはライブ中に、もぐらさんが誰かに仕込まれた毒を服用してしまい起こる【もぐら毒殺エンド】で時間が戻っていくのだけど、タイムループ後のかたまりさんの第一声が段々と楽しみになってくる。途中に一度だけ挟み込まれた、かたまりさんによる【もぐら撲殺エンド】がツボに入ってしまい、しばらく尾を引いていた。明転後の「ころしちゃった!」も含めて面白かった。
もぐらさんを守るために違うコーナーを考える場面で、浦井さんが『水中息止め対決』を提案していて、観ながら何故か「なんか、らしくないなぁ」と思ったのだけど、まさか物語の終盤でそこを言及されるとは思ってもいなかったのはここだけの話。

同じ場面を再現するというのは難しいことなのだろうと思うのだけど、刺身さんが佐伯さんを呼ぶ時の芝居だったり、佐伯さんがトイレから戻ってくる場面だったり、動きや声のトーンが全く同じで、本当にプロってすごいなぁと思ったり。
コーナーライブも素なようでずっと芝居で(お寿司食べた時の中野さんのリアクションが好きだった)…『笑えないクリスマス』でもあった、浦井さんがパンイチにされてしまう通称『スーパー浦井タイム』もちゃんとあって最高すぎたし(カニのパンツ…)、ゴムパッチンでのブチギレしてる所でめちゃくちゃ笑った。怒りすぎやって。

この浦井さんの「怒りすぎやって」な理由は勿論ちゃんとあるし、アーカイブで見返すとコーナーライブ含め、全編通して全員がナチュラルなようでしっかりと芝居してるんやなというのを感じる。普段やってるようなことを芝居でやるってどんな感覚なのだろう。

犯人を明かす場面は後ほど書くとして、クライマックスは客席参加型の『ギャンブル』コーナー。勿論、金銭は全く発生しない健全なもの。
客席に居る200人が手にした4つの絵柄(開場時、座席に置かれていたポストカード)をひとつ選び、同じ絵柄を3つ揃えるというもの。この同じ絵柄が3つ揃う確率を算出すると1.5%らしく、これがライブ感もあって本当に楽しかった。そしてきっちりと揃えるもぐらさんが本当に凄かった。まじで持ってる。
そして、そこからラストシーンに繋がるのだけど、なんだかものすごく温かい気持ちになった。この日の東京はめちゃくちゃ寒かったから、ちょっとの時間とはいえ、あの格好で劇場の外に出てた浦井さん、めちゃくちゃ寒かっただろうなぁと思う。


※ここからしばらくは、ファンの個人的視点で書いていくので、感想がだいぶ偏ります。多少気持ち悪いかと思いますが、ご容赦頂けますと幸いです。読んでて「無理やな」と思ったら即座に踵を返してください。

因みに完結したこともあり書くが、今回の犯人は浦井さんである。

故にTwitterの感想でも、前述した『もぐ殺を観ようかどうしようか迷っている人の背中を押したいという想いだけで書いたnote』の中でも、わたしは浦井さんの芝居には一切言及していない。
「浦井さんの芝居が凄かった」と触れることにより、「観てみようかな」と思う人は居るかもしれないが、察しの良い人が読んだ時に「今回、浦井さんが犯人なのでは…?」となってしまうのがなんだか嫌だなと思ったからだ。


換気休憩明け、犯人の正体が明かされるターンに入る。
かたまりさんが今回のトリックを説明する中で発せられる、

そうですよね?浦井さん

…このセリフを聞いた瞬間、思わずニヤッとした。
「この時を待っていたんだよ…!」と思った。本当はライブを観た後、すぐにでもその事に触れたいくらいだった。ただ物語の核心に触れる部分だったので触れられず、やきもきした。そのくらい浦井さんの自供シーンは最高だった。
因みに配信特典のアフタートークラジオを聴く中で、当然の如く、わたしはタイさんの手の平の上で転がされていたことを知る。


ー浦井さんの犯人役のお芝居って、どんな感じになるんやろ…1回で良いから観てみたいなぁ。ー


2年前、『笑えないクリスマス』が開催されることになった時、男ブラさんのファンになり、そう時間が経っていなかったこともあった自分が、純粋に一番最初に思ったことだった。それがここで叶う形となった。とてもワクワクした。

スーパー竹馬タイム(浦井さんを責め立てる場面)での竹馬さんのセリフの言い回しがなんだかあまりに可笑しくて、じわじわと笑いに包まれ始めていた会場が、

…なんでこんな事やと?

という浦井さんのこのたったひと言で、一瞬にして静まり返ったのには痺れた。
決して声を張ったわけでもなく、それでも通る声で発せられたそのセリフには、観ているこちらすらも怯ませる様な圧を感じた。
そこからの狂気的で鬼気迫る芝居は、『にんげんをつくろう』という男ブラさんのコントを動画で観た時から、浦井さんの狂気を醸し出す芝居が好きだった自分にとって、本当に堪らなかった。

正直、アーカイブで何度も見返してしまったくらいだ。
しかし、洗剤飲んでも死なないもぐらさん、強すぎる。


かたまりさんが「浦井さんは怠惰な人だからコーナーを提案することがないので、水中息止めを提案するのはおかしい」という結論に至ったの、浦井さんのキャラクターを知っているからこその面白さだなと思いつつ笑っちゃったし、タイさんが浦井さんを正気に戻そうと話した怠惰エピソードが、自分の中で一番好きなエピソードだったので、また聞けたことが嬉しかったのと(あのエピソードほんと好き)、浦井さんがループを繰り返していくうちに訳が分からなくなって、儀式で指定された(と思い込んでいた)1,025回を優に超えて、もぐらさんのことを18万回殺しちゃうアホの子になってるの笑ってしまった。

あと、佐伯さんがひとりタイムループしていないの切なかったなぁ。もう一回みんながループしてたら、もしかすると佐伯さんも取り込まれることもあったのかなとか思ったり。エンディングでの撮影タイムでも、それを反映させてるのになんかクスッとしてしまった。

エンディングで、タイさんがミステリー要素を組み込みながら脚本を書いていくことの大変さを吐露していた。それでも、こんなに楽しくて面白くて、温かな気持ちになれる3部作を毎年見せてくれたおかげで、クリスマスの時期になると「あぁ、あの時やってたもぐ殺面白かったなぁ」と思い出して、温かい気持ちになる人が居るのではないかなと思う。

人が死ぬのに心が温かくなるという、不思議な感覚を味わえるクリスマスだった。
来年のクリスマスはどうなるだろうと、一年後の未来に想いを馳せる年の瀬です。

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