恐竜元年:始まりの三日間の物語
16:タツマとユェズと棗(なつ)と蒔(まき)「おはようございます」
今では慣れた朝の下宿の食堂に、ユェズとタツマは現れていた。他の者達はすでに出ているらしく、二列ある食卓の一つはきれいに片付いている。奥の厨房から湯の沸き立つ音と白い蒸気が見え、働いているのだろう棗(なつ)の居場所を教えていた。独りいた蒔(まき)はいつもの落ち着きがない動きで朝食に手をつけていて、二人を見つけるなり手を振り、頬張ったまま前に座れと合図。
「おはよう、蒔(まき)」
タツマが挨拶をするのと、蒔(まき