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昔話をしよう。

ポケモンが好きだ。
ストーリーやポケモンそのものを愛でることはもとより、XYあたりからは対戦にも手を出し、6匹全部ゴーストタイプ(いわゆる霊パ)を組むなどして楽しんでいる。

さてタイトル通り、少しばかり昔話をしようと思う。
今から大雑把に26年くらい前、ポケットモンスター赤緑が発売された。
その後、アニメの放送も始まったりして、世の子供たちはポケモンに沸いた。
私ももちろんその中のひとりだったが我が家にはゲームボーイがなかったので、主にアニメを楽しんだり友人から借りたゲームの攻略本を丸暗記するまで読んだりして楽しんでいた。
クラスメートたちがヒトカゲやゼニガメ、フシギダネを携えて冒険に向かう中、私はなんとなく取り残された気持ちを持ちながらそれでも輪の中に入ろうとしていた。

それから3年後、ポケットモンスター金銀が発売された。クラスは再びポケモンに湧き、相変わらず我が家にゲームボーイは無かった。
皆の新たな冒険を私はやっぱり取り残された気持ちで眺めていた。

その翌年、クリスマスプレゼントにゲームボーイカラーをもらった。
2000年の12月のことである。世間では金銀のマイナーチェンジ版であるクリスタルバージョンが発売されており、私の冒険はそこから始まった。

ご存知の通り、ポケモンというゲームは『3匹の中から1匹を選んで旅に出る』ところから始まる。
私が選んだのはヒノアラシだった。
そうしたら『ヒノアラシにニックネームをつけますか』と聞かれる。
私は悩んだ。
もう金銀のネタバレは散々踏んでいたので、ヒノアラシが将来バクフーンになることを私は知っていた。
バクフーンは『かざんポケモン』である。
で、あれば火山にちなんだ名前が良いなあと私は思った。

奇しくもクリスタルバージョンの発売と同年の2000年3月、北海道にある有珠山が噴火した。なのでその年はずっとテレビで『有珠山』という名前が放送されていた。火山といえば有珠山という年だったのである。

そういうわけで私はヒノアラシに『うすざん』という名前をつけた。
こうして私とうすざんの冒険は始まった。

時代は大きく飛んで2022年。
ポケモンレジェンドアルセウスが発売された。
舞台はいずれシンオウ地方と呼ばれるようになるヒスイ地方。
最初の3匹は各地方から連れてこられたポケモンたちで、くさタイプのモクロー、みずタイプのミジュマル、そしてほのおタイプのヒノアラシだった。

シンオウ地方のモチーフは北海道だ。
そして私の最初の相棒は北海道の活火山から名前を拝借したヒノアラシだった。
縁のようなものを感じながら、私は再びヒノアラシを最初のパートナーに決めた。

ところで有珠山の『ウス』とは元々アイヌ語で『入江』を意味するのだと言う。

アルセウスにおいて、主人公と最初の3匹たちが出会う場所もまた入江と形容して良い場所だった。
貰ったヒノアラシに『ウス』という名前をつけて、私はまた冒険に繰り出す。
運命論者ではないけれど、なんとなく数年越しに伏線回収のようなことをしてしまったなあと思いながら、私はヒスイへの第一歩を踏み出したのであった。


なお、冒険開始から1時間もたたないうちにその辺にいたパラセクト(レベル差3倍くらい)に無情にもウスは切り裂かれ、私は悲鳴を上げながらベースキャンプまで走ったのはまた別の話だ。

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