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【分析】千葉ジェッツ

※本記事は誌面のスペースの関係上、敬称略といたします。あらかじめ御容赦ください。

■見どころ

日本代表 Akatsuki Japanのキャプテン富樫勇樹が
北海きたえーるに来ます。

水曜ナイトゲームにも関わらず
チケットは指定席・自由席ともに売り切れとなり、
クラブ観客動員数の最高値更新が期待されます。

満員のアリーナの中、
B.LEAGUE屈指のクラブチームを迎え入れ
ホームの力を勝利に変えることができるかが注視されます。


■チームカラー

走力を生かしたディフェンスとテンポの速いオフェンス

ジョン・パトリックヘッドコーチは
千葉ジェッツに就任してから2季目になります。

2005-06シーズンは、
アルバルク東京の前身トヨタ自動車アルバルクで指揮を振るい
JBLのリーグ優勝を牽引したキャリアを有しています。
(桜井良太のデビュー時のヘッドコーチに当たります。)

非常に日本語が達者であり、通訳不要なレベルです。

能力の高いタレントが揃っており、
テンポの速いオフェンスから繰り出される得点力が脅威です。
2022-23シーズンは平均得点数 87.9、平均失点数 74.8、
通算53勝7敗という好成績を残しています。

その流れは2023-24シーズンも継続されていて、
失点こそ目立つものの、平均得点は今節時点で87.0と
昨年と同程度のリーグ屈指のオフェンス力を示しています。

その起点となるのが、
# 2 富樫勇樹の高い位置でのピックアンドロールです。
自ら3ポイントを打つことも、
ペイントアタックをすることも、
ディフェンダーを引き付けてパスを捌くこともできます。

今季は 富樫のプレイタイムが特に多く
(10/25現在33分10秒平均)、
常に富樫がコートを駆け回るスタイルになっています。

今節の時点で3勝3敗と成績が振るっておりませんが
主力メンバーも残っているので
B.LEAGUE最強の一角のチームです。


■注目プレイヤー

Akatsuki Japan日本代表
# 2 富樫勇樹

日本代表では主にハンドラー兼スコアラーとして
長きにわたりチームに貢献してきました。

10/25現在の個人スタッツは以下の通りです。
 平均プレイ時間  33分10秒 (チームトップ)
 平均得点 22.3 (チームトップ)
 フィールドゴール成功率 37.8%(2Pt 43.8% 3Pt 33.3%)
 フリースロー成功率 90.6%
 平均リバウンド数 2.0
 平均アシスト数 5.5 (チームトップ)
 平均スティール数 1.7

得点・アシストとオフェンスの要になっています。

富樫自身を抑えるのは容易ではないのですが、
もし仮に抑えられたとしても周りを生かす能力も長けているので
守る側からすると大変苦労する厄介なトッププレイヤーです。

机上の理論で言うと、
・富樫自身の得点を抑える
・富樫からのパス供給を遮断して孤立させる
という戦略になると思うのですが、
どのクラブチームも完璧には止められていないのが現状です。

そのままポイントガード寺園・島谷で守るのか、
あるいはディフェンスに定評のある関野・松下を付けるのか、
そして、ダブルチームをするのかしないのか、
するとしたら誰に対して強く守るのかに注目したいところです。
(寺園の出場の可否はquestionableです)

外国籍選手は、
3季目の# 33 ジョン・ムーニーが怪我で出場しておらず、
残りの2名+帰化の# 50 アイラブラウンでの
ローテートを余儀なくされています。

その2名の外国籍は新加入になります。
2人の主なスタッツを以下に示します。

# 5 ジャステン・マッツ
24歳 身長201cm 体重 100kg アメリカ合衆国 国籍
・平均プレイ時間 24:03
・平均得点数 9.8
・フィールドゴール成功率 47.8%
・スリーポイント成功率 30.0% (6試合で3/10)
・平均リバウンド数 6.7
・平均アシスト数 2.5

# 20 ディージェイ・ステフィンズ
32歳 身長198cm 体重 85kg アメリカ合衆国 国籍
・平均プレイ時間 28:39
・平均得点数 17.0
・フィールドゴール成功率 52.0%
・スリーポイント成功率 33.3% (6試合で14/42)
・平均リバウンド数 7.8
・平均アシスト数 1.3

# 33ジョン・ムーニー選手の穴は
帰化選手のアイラ・ブラウンがうまくカバーしています。

# 50 アイラ・ブラウン
41歳 身長193cm 体重 107kg 日本国籍(帰化枠)
・平均プレイ時間 25:38
・平均得点数 11.5
・フィールドゴール成功率 50.9%
・スリーポイント成功率 36.0% (6試合で9/25)
・平均リバウンド数 6.3
・平均アシスト数 1.3

富樫以外にも
若手を中心に能力の高い選手が集まっています。

特に、日本代表の候補にもなった# 12 金近 廉は
現時点での平均得点数が9.8(スリーポイント成功率 39.1%)と
インサイド・アウトサイドどちらからも攻めることのできる
弱冠20歳のオールラウンダーです。

ハンドラーとして、# 3 小川麻斗、# 13 大倉颯太
ウィングとして、# 12 金近、# 9 二上が
若手として活躍し、千葉ジェッツに貢献しています。


■GAME展望

千葉ジェッツは開幕6戦で3勝3敗と苦戦しています。
したがって、余計に勝ちを確実に積み重ねたいでしょうから、
レバンガ北海道が4連敗で何とか勝ち星が欲しいとはいえ
全力対全力の試合は避けられないことでしょう。

AWAY
●10/7(土) 長崎ヴェルカ GAME1 82-91
●10/8(日) 長崎ヴェルカ GAME2 86-89

HOME
○10/14(土) 信州ブレイブウォリアーズ GAME1 97-83
○10/15(日) 信州ブレイブウォリアーズ GAME2 86-85
●10/21(土) 仙台89ERS GAME1 73-83
○10/22(日) 仙台89ERS GAME2 99-90

昨季と比べると失点が目立ちます。
負けた試合が3試合ありますが、
うち2戦は80点越えの得点にも関わらず、
それを上回る失点を喫しています。

気になるのは10/21(土)の仙台89ERSのGAME1です。
千葉の得点が73点に抑えられており、
仙台のディフェンスが奏功した一戦になりました。
ここにレバンガ北海道が勝利するヒントがあるかもしれないので
後述したいと思います。

ディフェンスをチームスタイルとして掲げている以上、
今後、修正がなされていくと予測されます。

参考) 千葉ジェッツチームスローガン

トランジションの速い千葉ジェッツに対して
今季のレバンガ北海道は
ペースを落として攻撃回数を減らすと言う方法を好んでいます。

70失点以下を目標としておりますが、
開幕6戦で千葉を70点以下に抑えたチームは皆無です。

# 33 ジョン・ムーニーが欠場している今、
レバンガ北海道が優位に立てそうなのは高さの部分です。
ハーフコートバスケットに持ち込んで
リバウンドをいかに1本でも多くもぎ取るかが勝敗を分けそうです。

レバンガ北海道
トーマス・ウェルシュ 213cm
ダラル・ウィルスJr.  206cm
デモン・ブルックス  202cm
ナナー・ダニエル弾  200cm 
ドワイト・ラモス   193cm に対し、

千葉ジェッツ
ジョン・ムーニー   206cm
ジャスティン・マッツ 201cm
D.J.ステフィンズ    198cm
金近 廉        196cm
アイラ・ブラウン    193cm
と身長的なミスマッチが生じるので
リバウンド数が一つの指標になるかもしれません。

レバンガ北海道と千葉ジェッツとの対戦成績は
2勝34敗です。

2年前に、2021/11/10の水曜ナイトゲームで
1qからまさかの13-33と20点差をつけられたところから
じわじわと追い上げて1点差で逆転勝利したときのように
クラブチームを全緑で応援しましょう!


(コメント)

●10/21(土) 仙台89ERS GAME1 73-83

スカウティング・コメント
・D.J.ステフィンズがロスター外、ジョン・ムーニーは出場なし

・リバウンド数 千葉40に対し、仙台50

・仙台はオーソドックスなマンツーマンディフェンスで
 試合を通してボールマンプレッシャーをかけていた。
・仙台は変則的なディフェンスは選択せず、
 仕掛けたとしてもピンポイントでのオールコートプレスのみ。
・仙台は積極的に根気よくペイントアタックをして
 より得点効率の高いビッグマンへのアシストないし
 キックアウトしてのスリーポイントでの加点が目立った。

・千葉がうまくいったケースは
 ピックアンドロール起点が多い印象だった。
・千葉はインサイドを警戒してか、
 ペイントアタックに対してディフェンスが過度に収縮して
 キックアウトでフリーを作られるシーンが複数回見られた。
 (多分、そういうシフトで守っていたと推察される)

・ターンオーバーは千葉17に対し、仙台14。
 他方、ターンオーバーからの得点は
 千葉8に対し、仙台26であり、ここに差が出ていた。

・ジョン・ムーニーやDJステフィンズを欠いてのロスターで
 # 25 荒尾岳などが奮闘したが、
 リバウンドや2ポイント成功は仙台に軍配が挙がった。
・# 2 富樫は結果的に23得点と活躍したが、
 それに次ぐ得点は# 5 ジャスティン・マッツ 17得点であり、
 他は1桁得点であった。(西村 8得点、金近  7得点、ブラウン 5得点と続く)

ロスターが厳しい中で苦戦を強いられたという印象があります。

レバンガ北海道も# 4寺園が前節の怪我で
(おそらく脳震盪プロトコルに乗ってしまっている)
出場できるかどうかが未知ですので、
お互い万全の状態で戦えるかどうかが心配です。

千葉ジェッツも連戦の中での
アウェイ平日移動なので疲労も溜まっていることでしょう。
両チーム、大きな怪我が起こらないことを願っています。
がんばれレバンガ!

文:アズマリュウセイ
写真:民谷健太郎

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