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【考察】 レバンガ北海道は渡邉雄太を獲得できなかったのか?

レバンガ北海道→渡邉雄太へのオファー

2024年4月20日、
渡邊雄太(29)は自身のInstagramライブで
NBA引退を宣言しました。
翌4月21日には都内で記者会見を行っています。

そのときに、2024-25年シーズンから
Bリーグに参入することを公言しました。

折茂代表は上記の記者会見を受け、
「(渡邊雄太獲得に)手は挙げます。挙げない理由がない」と述べ
バスケットボール界隈でも話題のニュースとなりました。

レバンガ北海道は、渡邊雄太獲得に向け、
最初に名乗り上げたクラブチームとなります。

レバンガ北海道が獲得オファーをしている
と公表したのは5月16日で、
それ以降は、大きな動きは無いとのことでした。

6月22日、23日には
渡邉雄太が選出濃厚な日本代表が
オーストラリア代表と強化試合を行いました。
折茂代表は
「もし会えるとしたらタイミングはそこしかない」とも
述べていたようです。

オファーがエージェントを介していることや
本人以外に家族の意向があることも
単純には移籍先を決定できない理由にもなっています。

さて、
渡邊雄太のBリーグ進出に関するニュースを
レバンガ北海道の動向を踏まえて
整理してみようと思います。


時系列での情報整理


2024/02/08 
渡邉雄太、NBA在籍中。6シーズン目
トレードによりフェニックス・サンズから
メンフィス・グリズリーズに移籍するが決定した。
以降、欠場が目立つようになり、
その理由については明かされないままだった。


2024/04/15(現地時間14日)
NBA 2023-2024シーズン
レギュラーシーズン最終戦の日。
グリズリーズはプレイイン・トーナメントにも
出場を果たせなかったので、
渡邊雄太はシーズン終了を迎えた。


2024/04/20
渡邊雄太が自身のInstagramでライブ配信を実施。
その時点での契約状況についての説明を行い、
グリズリーズに残留するかどうかを決定できる権利を
保有しているが(プレイヤーオプション)
2024-25シーズンは日本でプレイする道を選んだと発表した。


2024/04/21
渡邊雄太は東京都内で記者会見を実施。
Bリーグに進出するにあたり、
「細かい部分に関してはエージェントと話を詰めながら」
「僕のことを本気で思ってくれる熱量があるチームで全力を注ぎたい」
「今まで応援してくれた日本の方たちの前でプレイしたい」
「今後も長い間バスケを続けていきたい」

などのコメントを述べた。


2024/05/02
香川ファイブアローズが渡邊雄太に対して
正式にオファーをしたと発表した。(クラブホームページ)

前日の記者会見で
「香川ファイブアローズも含めて
 オファーをもらっている全チームの話を平等に聞き、考えたい」

というコメントをしたと報じられている。


2024/05/14
アルティーリ千葉が渡邊雄太の獲得を断念したと報じた。
(金銭面を主な理由として挙げた)


2024/05/14
レバンガ北海道、小野寺HC続投の発表


2024/05/15
シーズン中に契約を発表した菊地広人選手を除いて、
選手契約の第一弾として、
# 4 寺園・# 81 関野の2選手の継続が発表された。
以降、続々と継続契約・退団・新規契約のニュースが続く。


2024/05/16
渡邊雄太に対して
「レバンガ北海道としてオファーをしている」
折茂代表はメディアを介して発表を行った。
(※補足 このニュアンスからは、5/16以前にオファーをしたことが推察される)


2024/06/10
千葉ジェッツふなばし田村征也 社長
「うちも彼(渡邊雄太)に興味があるクラブの一つ。
 ただ、まだ何も決まっていないということもまた事実です。
 もちろん千葉ジェッツに来ていただけるようなご縁があれば
 公式発表するので、それを待ってもらいたい」

と取材に応じた。


2024/06/11
海外メディア(@BasketNews_com)が
「千葉ジェッツふなばしに参入するのが間近」と報じた。
(※筆者注:ソースや事実の確認は困難であった)


2024/06/26
FIBAのWebニュースの中で
渡邊雄太の移籍先が千葉ジェッツふなばしであると言及。
後に同箇所は削除された。

【削除された箇所の文章】
Yuta Watanabe is another key man in the named squad. The 2.06M(6’9’’) forward had six years of NBA experience and has will be heading back to play in the Japanese B.League with the Chiba Jets for the upcoming season.

(訳:渡邉雄太も代表チームのキーマンの一人だ。身長206cm(6フィート9インチ)のフォワードはNBAで6年間の経験があり、来シーズンは日本のBリーグに戻り、千葉ジェッツでプレーする予定だ。)


2024/06/27
千葉ジェッツふなばしは
自由交渉選手リストに公示されていた#25 荒尾岳と
選手契約継続に合意したと発表した。
この時点で、11名のクラブ選手登録となり、
外国籍1名と帰化・アジア枠を残すのみとなった。


2024/06/28
京都ハンナリーズから# 24 鈴木悠介 が
レバンガ北海道に移籍するとの契約が発表された。
この時点で、U22枠 # 18 内藤を除いて、
12名のクラブ選手登録がなされたことになる。


2024/07/01
レバンガ北海道 桜井良太GM就任


考察

折茂代表は
「(渡邊雄太は)代表活動が始まる、
 6月中旬くらいまでには方向性が決まっていると思う」

と見通しを述べていました。

渡邉雄太本人のコメントでは
「全チームの話を平等に聞き、考えたい」と報じられており、
6月22-23日に北海きたえーるで行われた
日本代表の強化試合のタイミングが
直接コンタクトができる機会になるかもしれないと
折茂代表は述べていたようです。
(実際に面会の機会が設けられたかは不明)

そして、
6月28日には、
選手登録の枠10-13名のうち、
レバンガ北海道12人目の契約が発表され、
残すは1枠の外国籍の選手となりました。

以下は、上記の情報を踏まえた考察の記述です。
(事実ではなく、考察なので情報の取り扱いにご注意ください)

6月22-23日の前後で
渡邉雄太のオファーが叶わない可能性が高いとみなして
最後まで空けておいた日本人ビッグマンの枠を
渡邉雄太以外の選手で登録した、
と考えると自然なのかもしれません。

少なくとも、クラブは渡邊雄太の獲得に向けて
できる限りの努力をしていたように思えます。

実は、似たような動向を示したのが
千葉ジェッツふなばしであり、
自由交渉選手リストに放出した# 25 荒尾 を
6月27日に改めて契約更新をすることになりました。

6月30日現在の千葉ジェッツふなばしは
11名の選手登録がなされており、
最大で13名の選手登録枠ということを考えると、
渡邊雄太を獲得するには
イレギュラー対応が求められることになります。

つまり、
残りの枠が外国籍1名と帰化・アジア枠1名の
2枠しか残っておらず、
日本人枠として渡邊雄太を招くとしたら
① 帰化・アジア枠を採用しない
② 帰化・アジア枠を採用し、レンタル移籍等で対応

という無理を強いられることになるのです。


自然な発想で予測を述べるなら、
・レバンガ北海道は獲得が叶わなかった。

・(移籍濃厚と噂されていた)
 千葉ジェッツふなばしも獲得が叶わなかった。

という結論を考えました。

一方、レバンガ北海道は
外国籍選手1名の枠を残すのみとなっています。
元NBA選手という理由だけで
外国籍選手の代わりに渡邊雄太を獲得するというシナリオは
少々無理があると考えるのが妥当でしょう。


6月11日にBASKETNEWSで報じられた
「千葉ジェッツふなばし移籍が濃厚である」というニュースから
始まった一連の報道については、
もちろん、エージェント等の関係者からのスポイル(漏洩)が
多かれ少なかれあるとは思いますが、
噂レベルでのニュースに振り回されている可能性があります。


06/10 千葉ジェッツふなばし田村征也 社長 会見

06/11 東京新聞が上記会見を記事にして発表

06/11 BASKETNEWSの「千葉J移籍濃厚」ニュース

06/11 SNSでこのニュースの情報が拡散される

06/14 東京新聞が6/11の記事を加筆・修正

06/26 FIBAがWeb記事で「渡邉が千葉Jに移籍」を言及
    後日、その箇所のみが削除された

06/27 千葉ジェッツふなばし 最後の日本人選手枠が決定

06/28 レバンガ北海道 最後の日本人選手枠が決定

このように時系列を眺めてみると、
BASKETNEWSの記事(ソース不明)が
後に大きな影響を与えていることが推測できます。

FIBAも「八村塁が日本代表に加入する」というニュースで
追加情報的に、他の代表選手を紹介する一連の過程で
渡邊雄太の移籍情報が(あたかも決定事項かのように)
記事として明記してしまったのかもしれません。

もちろん、
既に渡邊雄太の移籍先が決まっていて
関係者の間では情報共有がなされており
公式な情報解禁を待っている状態かもしれませんが、
「本当に千葉ジェッツふなばしなのか?」という疑念は
7月1日現在も払拭できないと言えそうです。

さまざまな噂が飛び交う中で、
7月1日現在で確かなことは
以下の点に集約されます。

「渡邊雄太は2024-25シーズンにBリーグ参入」

「多くのクラブチームが獲得に向けオファーを行った」

「オファーをした全チームの話を平等に聞き、考えたい(本人談)」

「公表レベルでは移籍先は未確定」

現時点で、確定情報が無いというのが結論です。
それ以上の情報は公開されていませんし、
「未確定」が、タイトルに対する答えになります。


おわりに

渡邉雄太は、どのクラブチームを選ぶのでしょうか。
正式な発表が楽しみでなりません。

この手の報道は
「速報性」と「正確性」とのジレンマの間で判断が悩ましい
というのがメディアの性です。

情報の「いちばん乗り」はもちろん価値が高く、
その「速報性」を求めるのは
メディアとしての性質なのは仕方がありません。

ただし、「速報性」を追求するがゆえに、
あるいは「話題性」を追求するがゆえに、
情報の「正確性」が損なわれてしまうのも事実です。

渡邊雄太を獲得できたとしたら、
そのクラブチームにとっては
・観客数増加
・スポンサー単価/数の増加
・クラブチームの顔
・結果として地域の活性化
などの大きなベネフィットが期待されます。

見かけ上は人件費が増すかもしれませんが、
それ以上の経済効果が期待されるのはもちろんのこと、
地域のバスケットボール熱が著しく向上されるのも
大きなアドバンテージとなります。

そのような意味では
個人的にも、渡邊雄太を招いて
北海道を盛り上げるという夢のような話は
最後の最後まで諦められず
わずかながらの可能性を残して
ビッグニュースを待っているところです。

ここで、いちブースターとして
彼のような一流選手がコート上で
気持ちよくバスケができるようなサポートができるのか?
という問いが湧いてきました。

・声がけ

・マナー

・一緒に勝ちを目指す姿勢

・選手/スタッフ等へのリスペクト

・クラブチームを支える¥

などなど、課題は多く残っていると思います。

ブースター(筆者を含む)としても
質の向上が求められている時期に
なってきたようにも感じました。

かつての折茂さんや桜井さんが

「北海道で挑戦したい」

「最後まで北海道で選手生活を過ごしたい」

「引退後も残って貢献したい」

と思ってくれたように、

今在籍してくれている選手やスタッフ、
これから迎え入れる未来の選手やスタッフが
「ここで頑張りたい」と思ってくれるように
素敵な雰囲気を作り出し、
それを文化・伝統に出来たら最高ですね。

本誌「レバンガのミカタ」
ほんの少しでも
その未来に貢献できるような
情報発信を目指したいと思います。

引き続き、ご愛読していただけますと幸いです。

文  アズマ・リュウセイ
写真 民谷 健太郎 2023/8/20 有明アリーナで撮影


参考文献)

2024/04/20 YAHOOニュース(デイリースポーツ)記事


2024/04/21 月刊バスケットボールWeb記事


2024/04/25 DOSHIN SPORTS記事


2024/05/02 朝日新聞DIGITAL


2024/05/14 東京新聞TOKYO WEB記事


2024/05/16 北海道新聞記事


2024/05/17 日刊スポーツ記事


2024/05/24 スポーツ報知記事


2024/06/11 東京新聞TOKYO WEB記事 7:40公開
(6/14 17:30に加筆・修正版として更新された)


2024/06/11 BASKETNEWS記事 12:44公開
(記者 DONATAS URBONAS   Xアカウント→ @Urbodo)

https://basketnews.com/news-207436-yuta-watanabe-close-to-joining-chiba-jets.html


2024/06/26 FIBA英語版記事


Bリーグ選手契約および登録に関する規定 (2023-24シーズン改訂版)

https://www.bleague.jp/about/pdf/r-27_2017.pdf


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