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社員が定着しない。 仕事をすぐに辞める。

このお仕事をしていると、タイトルのようなお話し、お悩みをよく聞きます。
なんらかの課題、問題を抱えている企業や組織(工場や支店、営業所など)に行くので、全てのお客様に共通した問題です。

実際の状況としては、いろいろなケースがありますが、基本的には、全てのケースで共通している課題があります。

これを本人の性格、能力で片付けるのは間違っています。
確かに、人によって耐性に差があります。
でも社員に対して耐性を使ってはいけません。
それは、人の「何もしない」という本能を自分が発動しているからです。
ビジネス、仕事では、誰かのために自分の役割を果たすことを喜びとできる行為です。でも、何もしないという本能もあります。自分が何もしないということを肯定するために、その人のせいにしてはいけません。
経営者、役員、部長、それぞれの組織のリーダー、幹部の方々、、、
これは、あなたたちが、やるべき仕事をしていないからです。
社員のせいにしていては、何も解決しません。
ということで、最近もご相談いただきましたので、一般的なお話しとして説明していきます。

まず結論を言うと、共通した課題はこれらになります。
・会社の目的・目標が明確になっていない
  借りてきた言葉で、自分たちのものになっていない。
  何のための作業かわからない。
・自分の仕事が、意味を持たない作業としてしか理解できない。
  組織全体の目的(役割)に対する自分の役割を定義できていない。
・将来の状態(成長)が見えない。
  現在必要なスキル、その先に必要となるスキル、その積み上げで可能となる役割とその成果が見えない。
・その組織内で目的・目標・成長・課題・役割・環境認識・などなどを共有できていない。
  組織として機能していない。帰属意識につながる安心感が無い。

つまり、このままここにいても、ずっとよくわからんこの作業し続けるだけで、5年後も、10年後も、このままかも、と思うとこの外(他の会社)の方が良いのでは、、、
まずは、ここをやめよう。となるのです。
人は、誰かのためになることをやるために生きています。それは人の本能として喜べるからです。これまで3,000人以上の人からお聞きして、例外となるお答えを聞いたことはありません。
だから、やるべきことは、しっかりと経営することです。
目的・目標をしっかりと設定し、その実現に向けて正しいストーリーを作って、それぞれの人や組織に役割設定をする。作業の失敗の有無ではなく、常に最終成果を基準とする。同じチームとしてメンバーの一人一人の状況の変化に全員で対応して一人の失敗を最終的な失敗に繋げない工夫をする。
つまり、失敗を恐れず、より良い成果に向けた挑戦する組織(意識)とする。
このために色々な手を打ちます。

詳しく説明します。
そもそも、なぜ辞めるか、これを考えてみたことがありますか?
少し前の方なら、嫌なことがあっても、とりあえず我慢して頑張る、というのが選択肢の中にありました。というよりも他の選択肢はありませんでした。終身雇用だし、仕事で辛いもの、我慢するものって教えられてきたからです。
だから、何も考えずにとりあえず言われたことを頑張ってやる。
を繰り返していました。
もしくは、仕事中は、感情を殺して、何も考えないようにして、作業に徹して定時が来るのを待つ。仕事には何も期待しない。
実際に、お客様のところでヒアリングをすると、このような答えがいっぱいきます。課題の多い企業では、これしか来ないと言ってもいいです。
これは、経営者(および経営層、リーダー)が、ビジネスを、経営を、正しくやっていないからです。

昭和の流れの中では、言われたことだけをやっていれば、とりあえずは食べていけるという終身雇用と給与アップがありました。また、定年後も年金制度でなんとかなるという状況でもありました。環境も転職がしやすいというわけではありませんでした。

今は、状況が大きく変わっています。少なくとも自分が生きている間は大丈夫だと思っていた大企業が、倒産し、この事業は永遠に続くと思っていた商品がなくなり(私もフィルムがなくなるとは思っていませんでした)

仕事そのものや会社の問題に行く前に、少し整理しておきましょう。
全て基本的なことで抑えておかなければいけません。
一つ目は、最も基本的なことです。
人は、幸せになるために生きている。
でもあまり考えたことがない人が多いと思います。
ポイントは、幸せになるってどういうことか? ですよね。
個人レベルで言うと、(マズローの5大欲求のように生きる上での必須項目は必要ですが)、成長を感じられること、可能性を否定しないでやりたいことに挑戦できることというお答えが多かったです。
食べることや精神的&肉体的な健康(安全)、そして衛生面、そして帰属意識(あなたはそのままでいいんだよって認められている)を満足できる環境が必須です。
その上で、人の満足度の高い「成長」が望まれているかどうか、成長を全員の共通認識となっているかどうか、がとても重要です。
成長の中には、環境の変化があっても、現状を維持できることも含まれています。また、成長のためには、変化が必要なので、変化といえば必ずついてくる「失敗」と言う言葉、これを飲み込んでいける組織かどうかが重要です。
幸せになると言うことは、人間には抗うことのできない唯一の資源である時間を有効に使うための手段を実現していくことが必要になります。
早く移動できる、より大きなパワーで動ける(何ヶ月もかかる土木工事が数日で終わる)、どこまでのいける、で、買うこと、作ることのできない時間を有効に使えるようになることでより多くの幸せへの手段を増やしていける。これらは、一人の人間だけでできるものではないので、周りの人、
広くは世界中の人、もっと大きな枠で考えると時間軸も超えて色々な人と連携して幸せの実現へ向けて成長、進化していくのです。
自分だけのためなら、「まぁ、いいかっ」て思っても、誰かのための仕事なら「もうちょっと頑張る」「これじゃあ人様に出せない」などと、人の幸せのための行動をしてしまいます。
囚人(捕虜)の拷問の一つに、意味のない作業をさせると言うのがあるそうです。「囚人の穴掘り」という言い方で広く伝わっています。
あなたの会社では、この囚人の穴掘りになっている作業ってありませんか?
幸せになる、と思ってやっていることが、そうは思えないような状況になっていませんか?
これって、一生懸命に働いているからいいと言うわけではありません。
例えば、売上や利益につながらない作業って多くありますが、それらをなくすための工夫をされていますか?
特に失敗コストの対応は、大きなマイナスを小さなマイナスにするだけのものなので、精神的にも肉体的にも、とても疲れます。会社としても利益を圧迫するので、全く意味のない仕事になります。

「幸せになるため」とは、今よりもより良い毎日を送れるように、その日につながっていることを実感できていることが必要です。
それに対して、自分のやっていること、自分の存在そのものが、その同じ目的と目標に向かって貢献できていることが必要です。
新入社員さんは、貢献までいかなくても、役割設定は、貢献できていないといけません。

課題の多い多くの会社は、この目的・目標が、明確になっておらず、それよりも逆の状況(やればやるほどお客様に迷惑をかける、社会に迷惑をかける、会社の目的からずれていく)と思うようなことが多いです。
これは、会社経営ができていないだけです。
目的・目標が明確ではないので、作業だけでしか考えられないからです。
また、目的・目標が、「もうけ」になっている場合もおこの状態になります。
それは、従業員に対して、同じ目的・目標を実現する仲間という捉え方でみていないからです。だから、作業で定義し、役割定義・役割設定していないので、上記の自分自身の存在意義そのものを会社の中で見つけられないのです。
ビジネスとして企業がやるべきことは、最終的にお客様への価値の提供です。
営業の役割、製造の役割、調達の役割、間接部門の役割、全てがこのためにあります。
全ての人が、課題を共有して、失敗しても、最後は笑える成果を出せる仕組みを作ることで、社員さんは、その組織に居たいと思えるのです。
頑張ってもしょうがない、って思われないように、経営を立て直しましょう。
経営は、因果関係を活用する技術的な面と、人の成果につながる行動を意味あるものにする思考(感情、無意識な心の反応)の両輪で成功します。
多くの会社では、小手先の対応になっていますが、この二つをしっかりと進めていきましょう。
社員の定着は、経営そのものです。

といっても、何をやればいいかわからないと思いますので、このnoteを読んでいただき、ご相談していただければ、お伝えします。
相談レベルでは、費用はかかりません。

条件は一つだけです。
あなた自身が本当に幸せになりたいと思っていることと、それを自分一人ではなく、周りの方全員と掴みたいという覚悟があればOKです。


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