十首「Metarain」
「Metarain」
その部屋には死角がなく遠雷の幽霊がたくさん訪れる
一滴の光にかわく図書館の休日を蜜蜂が解いた
抱きしめれば確率で雷の場所がわかりその地図は大きい
森のむこうの窓の外で雪が降る左利きの雪だ、と思う
眠りがキリンを忘れていたらキリンの夢は見られることなくそれは恐ろしい
海岸 いくつもの進化を養った絶滅にグミが入ってなくてよかったあ
いくつかの感情を書き分けてみて筆跡がすべて同じ 犬の身震い
コップあげる光を光屋さんで買って誕生日まてなくてすぐ渡す
長雨の蛇口に光おくれつつ美しき桃剥く美しき爪先
できるだけ蜂できるだけ水そうして預かりものを野に埋めにきた
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