七首:過去作


降雪とともに天使は受肉する約束のこと光と呼ばず

天使の手から溢れゆく白桃は光らせている夜のすべてを

この夜をたどっていけばうみにつく魔女のかみさま傷がたりない

憐憫の速度を降る結晶の天使の伝う末期の真白

尖塔のいと高きに立ち陽喰って惑星の乙女に眼よ開け

天蓋を充満させよ薄き翅泉に祈る白き乙女の

純白の死
夜闇すら

遅延
  して
薄   れ
透明
に    なる
    ぼくらは

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