菓子店との遭遇(1) - 電話編 -
こんにちは、バウムの書(note出張所)です。
電話は原則として苦手と思いながらも、ネットに載っているお菓子屋さんばかりでは個性的でよいバウムクーヘンは見つからないとの思いから、検索して名前を知ったお店に、お電話することがあります。そしてその回数は、とくにこの数年で、どんどんと増えてきました。
ですが電話をする前に、まずは気持ちを整えるのがたいへんです。
初めての店ですから、考えるだけでどきどきするのです。何回やっても慣れません。
そもそも、なんて言おう。バウムクーヘンがあるかどうかもわからない、昔はあったけれど、もう置いていないと言われるかも。あるいは地方発送していないと言われるかも。どーしよう。
ときには、ほんのわずかな望みを気持ちの中で何十倍にも膨らませ、気合いを入れて電話をするわけですが、ネットにあまり情報が載っていないお店ですから、その地域中心の、地元ならではのお店である確率は、高めです。
○ 何度かあった実体験
いくつかの話を、まとめてみます。
電話をかけると、気さくなおばさん風な声が応対。ところがわたしが「東京からお電話を差し上げているんですけれども」などと言い出した途端に、とまどって声が変わります。そこには一瞬の迷いがあるのでしょう、たとえば
何だろう、セールスだったりして?
雑誌に載せましょうかと、お金とる人かな? (*1 最後尾注釈)
でも、ぜったいかけ間違いだろうねぇ〜
——といった具合です。想像も少しはいっていますが。
ところがわたしが「東京まで商品の発送は、していただけますか」とまで言い終えると、話が活気づきます。
客だ、お客さんだよっ
なんで遠くの人がわざわざ電話してきたんだろう、でも客だよ〜。
東京って言ってるから、丁寧にしないと(←急に標準語にする人も!!)
…と、状況が好転して、地方発送に乗り気になってくださることも。
ひととおり話が終わって、ではあとで数量が決まったらFAXで注文いたしますのでよろしくと伝えたあとで、「どこでうちの店を」と、尋ねられることも、何回かありました。やはり気になるのでしょう。
ですが「バウムがあると聞いた店は片っ端から調べています」などと答えたら、かなり奇妙と思われることは間違いないですので、最初はどうしたらいいのか、わかりませんでした。そこでかつては「人づてに聞いて〜」などと、無難なことを答えていました。
いまは話をはじめるとき「以前にいただきものをした、そちらのバウムが美味しかったので〜」と、食べたことがあると伝えておくのも効果的と気づいて、たまに実践しています。
いずれにせよ、極端なマニアだと思われない程度には正直に、そしてバウムが美味しかった場合のその後のお付き合いまで考えて、丁寧にお話をしたいと、心がけています。
○ 通販に対応していないお店も存在
平均して2〜3割くらいですが、話をはじめるかどうかのタイミングで「商品を送るとか、そういうのは、やっていないんです」と、お答えになるお店もあります。
電話をする前にかなり緊張して、気持ちを高めて「自分は、電話できる!!」と念じた直後に、通販していないお店に当たってしまったとき、ちょっと立ち直るのに時間がかかります。ただ、たまたまそれを人前で書いたあとで、そのお店の近くに住んでいる人から「あとで買っておきます」とお声をかけていただけたりする、新たな出会いもあります。
何年もバウムクーヘンのサイトをやっていると、どこそこに買い物に来ていますが余分に買っておきましょうかやら、めずらしいバウムを見たので送りますやら、思いも寄らぬご厚意にあずかることがあり、たいへんありがたく思っています。
(何かのおりに、失礼のない範囲でお礼やお返しをしておりますことを、ねんのためにですが、書き添えておきます。ありがとうございます)
○ いつか「メール編」ほかも、登場?
いつになるかわかりませんが(すぐかもしれませんし、遠い将来かも)、お菓子屋さんとの出会いについては、続編も書きたいと思っています。話題はいくつかあります。
ただ、メール編などの場合は、その後にもお付き合いのあるお菓子屋さんが見てしまうと「これは、当店の話では」と気づくこともあるかもしれず(←おそらくは、読んでいらっしゃらないかと思いますが)、ここでどこまでの内容を書けるか、微妙ではあります。
最後に注釈:
(*1) 雑誌に載せましょうか系の電話や飛び込み営業は、菓子店に限らず、多いのだそうです。複数の業種の方から伺いました。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
なかなか遠出も難しくなったご時世ですが、落ちついてきたら、普段は電話やメールなどでお世話になっている洋菓子店さんの訪問をしたいと思っています。交通費などに使わせてください。