真夜中の音
聞いていた曲を、見ていた動画を止める。
今日も生きている。
真赤な液体が体を流れているのが、わかる。
車が走る音、酔っ払い集団の声。
録画を始めるテレビ、秒針を刻む時計。
わたしが知らぬ間に、沢山のものが動く。
きみの知らない間に、こころが進む。
待ってはくれないのだ、昨日も今日も。
痛いほど刺さる、秒針の音。
無意識に刺す、だからわたしは許してしまうのだ。
だからわたしは、考えることをやめた。
街灯が灯る、あの道が嫌いだ。
異様に明るいコンビニが、胸を切り刻む。
知っていたなら、ここまで来て欲しかった。
明日を示す。
わたしは生きていた、今日まで。