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マルチハザードBCPテンプレート1.1


1.はじめに

 この度、「マルチハザードBCPテンプレート」の提供を開始致しました。マルチハザードBCPは「緊急対応マニュアル」と「BCP本編」から成る事業継続計画で、対象ユーザーは全業種、従業員100名以下の中小企業です。

マルチハザードBCPは2つのドキュメントで構成

 従来のBCPは地震用BCP、新型感染症用BCP…と、想定するインシデント(リスクと呼んでもよい)の数だけBCPを策定しなければならず、管理の煩雑さと運用面での使いにくさがありました。マルチハザードBCPでは「緊急対応マニュアル」にすべてのインシデント対応を集約し、「BCP本編」には事業を継続・復旧するための戦略的要件のみを規定したものです。 

2.テンプレートの概要

 マルチハザードBCPテンプレートは次の5種類のファイルで構成されています。

(1)BCP本編テンプレート(Word形式)

 BCPの基本的な理解については、筆者のnote マガジン「7ステップで理解するマルチハザードBCPの基本」をご一読ください。テンプレート内には、ChatGPTによるサンプル・テキスト(明朝体文字)を貼り付けた箇所もあります。このサンプルを参考にしつつ、みなさんの事業所の環境や要件に合わせてテキストを上書きし、オリジナルのBCPを完成させてください。

BCP本編の目次とサンプルページ

(2)緊急対応マニュアルテンプレート(Word形式)

 緊急対応マニュアルの基本的な理解については、筆者のnote マガジン「5ステップで理解する緊急対応マニュアルの基本」をご一読ください。テンプレート内には、ChatGPTによるサンプル・テキスト(明朝体文字)を貼り付けた箇所もあります。このサンプルを参考にしつつ、みなさんの事業所の業務環境や要件に合わせてテキストを上書きし、オリジナルの緊急対応マニュアルを完成させてください。

緊急対応マニュアルの目次とサンプルページ

【Caution!】各テンプレート内には「インシデント(望ましくない事態の発生)」という用語が使われていますが、とくに「BCP本編」にあるこの用語を、特定の災害名(「地震」や「水害」など)で上書きしないようにご注意ください。BCP本編は事業を継続するための計画であり、災害の種類が何であろうと柔軟に対処できるように、意図的に「インシデント」という汎用的な用語を使用しています。

(3)補助ツール(Excel形式)

マルチハザードBCPを効率的に運用するためのドキュメントファイルです。次の7種類のひな型がシート毎に記載されています。様式3と4を除き、事前に記入しておかないと、いざというとき役立てることができないのでご注意ください。

  • 緊急連絡先リスト(様式1)

  • 非常時備蓄品リスト(様式2)

  • 安否確認シート(様式3)

  • 被害状況調査シート(様式4)

  • 重要顧客リスト(様式5)

  • 重要取引先リスト(様式6)

  • 重要品目リスト(様式7)

(4)flowchart(Excel形式)

「緊急対応マニュアル」と「BCP本編」の2つのドキュメントには、インシデント発生からBCP発動~復旧に至る流れを示した共通のフローチャートが貼り付けてあります。必要に応じてExcel上のこの原本ファイルを上書きし、各ドキュメントの所定のページに(図として)貼りなおしてご使用ください。

(5)ビジネスインパクト分析テンプレート(PDF形式)

「ビジネスインパクト分析テンプレート」は、事業停止の許容時間と復旧要件を推定し、経営者のコンセンサスを得ることを目的とした2種類のサンプル・テンプレートファイル(「BIA調査票」と「BIAレポート」)です。BCPの精度をアップグレードするためのツールでもあります。「ビジネスインパクト分析」の詳細は、こちらのページをご覧ください。

3.マルチハザードBCPテンプレートの検証方法

 「緊急対応マニュアル」と「BCP本編」それぞれのテンプレートの記入を終えたら、これらのドラフトを使って検証を行うことをお勧めします。本来は、筆者のnote マガジン「9ステップで理解する机上演習(TTX)の基本」の手順をなぞっていただくのが最も効果的ですが、慣れていない方も多いのと思うので、以下ではより簡便な方法をご紹介します。手順は次の通りです。

  1. 危機対応チームメンバーに集まってもらい、緊急対応マニュアルとBCP本編のドラフトを配布します。

  2. まず、「緊急対応マニュアル」から想定したインシデントを一つ選択します(例:地震、火災、水害の中から「地震」を選択)。

  3. 2で選択したインシデントの緊急対応手順について、メンバー全員で読み合わせを行い、状況をイメージしながら妥当性をチェックします。

  4. 次に、緊急対応の努力にもかかわらず、重要な業務が停止してしまったと仮定し、その状況からいち早く回復・業務再開するための指示・判断・意思決定を「BCP本編」の中でなぞってみます。

  5. 上記の2~4について「地震」を想定した対応手順の検証ができたら、次は「火災」と「水害」についても、順次2~4を反復してみましょう。

  6. 上記の机上検証を通じて見えてきた改善点については、早めに各ドキュメントに反映させ、最終的に完成させてください。

なお、みなさんの会社で完成させたマルチハザードBCPにつきましては、有償にて講評サービス(2つのドキュメントの完成度評価)を承ります。詳しくは下記までお問い合わせください。https://ssl.form-mailer.jp/fms/a74afc5f726983

4.ダウンロードの前に

これらのファイルは細心の注意を払って作成したものですが、表示されるワードファイルは、ユーザー様側の環境によって多少レイアウトがずれたり、フォントの種類が異なって表示されたりする場合があります。また、次の各点にもご注意ください。

  • この記事(テンプレートのこと)は有料(2,000円)です。noteユーザー以外のお客様は、会員登録をせずに記事を購入することができます。

    会員登録せずに記事を購入する方法

  • この記事(テンプレート)は書籍に準ずる扱いとさせていただきます。すなわち、ダウンロードいただいたファイルの返金および記載内容に関するお問い合わせは、原則としてお受けできません。

  • テンプレート内に明らかな表記上のミスが見つかった場合は当方までご連絡ください。修正したファイルを再送させていただきます。なお、テンプレート内のサンプルテキスト(明朝体文字)は、あくまで書き方の例を示したものです。内容的な正確性や整合性、完全性を保証するものではありませんのでご了解願います。

  • このテンプレートはエンドユーザー様のご使用を対象としています。コンサルタントの方々による商用利用はご遠慮ください。

5.ダウンロードファイル

5種類のファイルは圧縮ファイル(zip形式)となっています。ダウンロード後に解凍してご使用ください。

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