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【ネタバレ有】『鎌倉殿の13人』最終回「報いの時」感想【221218】

 『鎌倉殿の13人』が最終回を迎えた。先週の政子の大演説で一つのクライマックスに達した感のある『鎌倉殿』がどんな最終回を迎えるのか、とても楽しみであり、何か緊張を覚える一週間だった。
 義時がどういう最期を迎えるかも勿論だけど、個人的に気になっていたことの一つが『鎌倉殿の13人』というタイトルの意味だ。というのも、このタイトルが作中ではまだ回収されておらず、最終回で本当の意味が明かされるんじゃないかと思っていたから。
 作中、十三人の合議制が成立する回のサブタイトルが「鎌倉殿と13人」。二代鎌倉殿の頼家が十三人に反発することで対立関係になってしまったことを、"と"と並列関係にすることで表していた。
 この微妙な違いに、「これはまだ何かある」と思っていたのは自分だけじゃないはずだ。
 色々ネットで見たり聞いたりして考えていた予想としては、泰時の代に作られる評定衆を含めた政を行う制度の人数が合わせて十三人だから、それこそがタイトルの『鎌倉殿の13人』で、義時の次の代を垣間見せて締め、というものだった。しかし、この予想は見事に裏切られた。
 最終回の最後のシーン、政子の傍らで、義時は今までの自分の行いを振り返る。自分が手にかけてきた者たちの名を挙げ、数えると十三人。あ、そういう意味だったのか、と思った次の瞬間、政子の言葉で背筋が凍りつく。
 このラストのためのタイトルだったんだな、と実感した。『鎌倉殿の13人』も、「報いの時」も、このラストにつながる、これ以外考えられないものに思えた。そしてこの物語の主人公は最後まで義時だったということも。次代を担う泰時に主人公の座を移すことなく、義時の人生を描ききってこの物語は終わった。
 観終わってからの余韻がなかなか抜けきらなくて、未だにこの作品について考えてしまっている。宗時が早々に退場しなければ義時はもっと平穏な人生を送れていたんじゃないかとか、頼朝が急死しなければもっと違う未来があったんじゃないかとか、「たられば」が湧いてくるけれど、今年一年、この大河ドラマを追い続けられてよかった。それが今一番はっきりとしている感想だ。

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