瀬文 優

放送作家/連載ほしいです!!!

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ボーイズ・オン・ザ・ラン 感想文

友達が好きな映画を見たときに面白くなかったら嫌なので、あまり自分からおすすめの映画をたずねることはない。だって好きな人がすきなものを、好きだと思える自分でありたいじゃん。あるかもしれない価値観の相違をわざわざ詳らかにしたくない。 しかしこのあまりに暇な自主期間、そしてきっと私の人生でいちばん有難くないゴールデンウィークの到来に、ついに同期におすすめの映画を聞いてみた。緊急事態宣言なんてお構い無しに営業しているバイト先の法律事務所も、ゴールデンウィークには休みに入

    • 能町みね子『結婚の奴』p153~p179 グータンヌーボの章からニューオータニの章まで 感想文

       エッセイを切り取って感想を述べるということは、無作法なことかもしれない。しかも私は能町みね子さんの熱烈なファンというわけではなく、彼女がどんな思想を述べてきたのかの変遷を理解しているわけでもない。かの有名な久保みねヒャダを定期的に見る努力もせず、さらにこの26ページ分の主題である雨宮まみさんの死すらも、この本を通して知った。しかし、平成10年に生まれて平成後期のサブカルを喰らって生きてきた私にとって、能町みね子さんと雨宮まみさんは自分から望まなくても必ず通る道だった。能町み

      • コンフィデンスマンJP 感想文

         そもそもコンフィデンスマンJPの脚本を手がける古沢良太さんが好きで、特にリーガルハイは私の青春だった。ろくに学校も行かないでぼんやり毎日を無為に過ごしていた中学時代、初めてどっぷりハマったドラマがリーガルハイだった。最初にぼんやり法律の仕事を意識したのも、芸能界を意識したのも、脚本家を意識したのも、全部リーガルハイだった。リーガルハイがきっかけでTwitterで知り合ったフォロワーはいつの間にか8年来の付き合いになり、就職活動の相談から長期休暇の旅行までなんでもござれの友達

        • バイトを辞めた話

          6月の初め頃、ひもじい日々に嫌気がさして新しいバイトを始めた。立ち仕事の接客業で、丸いものをころころ転がしたりぐるぐる回転させたりし、最終的には小さな貴金属の入った四角いものに替える店だった。普段バイトしている法律事務所は全くもって自由な職場なので、久々の制服の感覚が妙だった。 1週目2週目は恙無く過ぎた。嫌なことと言えば日に5回掃除させれる男子トイレがくさいことだけだった。「あと1°お辞儀深くして」などという副店長のこともそこまで嫌いではなかった。1°なんか見分けつくもんか

        ボーイズ・オン・ザ・ラン 感想文

          バイト先

          私は普段、法律事務所で働いている。 働いていると言ってもバイトであり、バイトであると言っても企業顧問専任担当パラリーガルという、なんともいえない雇用形態である。主な仕事内容はペットボトルの口栓部やポテチの袋のギザギザ部分について特許庁と文書でやり合うことだ。その他所長の気が向き次第、合同会社の定款を作成したり商標の類似群を検索したり、企業から企業への警告文の添削をしたりする。 事務所のメンバーは所長と所長のいとこ、それから事務員の女性が特許部門と法律部門で1人ずつ。そろそろ他

          バイト先