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読書ログ_「現代語訳 古事記」by蓮田善明 

同じコミュニティの方が、運営されている古典文学読書会の5月の課題が「古事記」でした。

古事記に特に思い入れはなかったものの(笑)、古典文学を読む事ってどんな感じなのだろうと興味が湧いて、参加させて頂きました。

1月から4月は、アーサー・ウェイリーの英訳「源氏物語」を翻訳した本の読書会でしたが、その1冊の分厚さに圧倒され、しかも4冊とは、歯が立たないと諦めていましたが、古事記は1冊だったので、何とかなるかなと思いましたが、なかなか手強かったものの、意外にも面白かったです。

古事記の面白さもさることながら、同じ本を読んで参加者それぞれが、感想や質問を持ち寄って、どう思う?こう思った、と好きなことを自由にアウトプットしあうのがとても面白かったです。

古典文学は、長い間人々に読まれてきて、消えていない文学。
瀬戸内寂聴さんが、「私が死んだら、きっと書店から私の本は、消えるわよ。」とおっしゃっていたそうですが、普通は、そうなんでしょうね。

読みたい本が他にたくさんあっても、月に1回、課題の古典文学をひもといて、他者の感想も参考にして、学ぶことはとても豊かな時間なのではないかと思いました。


面白かったと言いましたが、実はなかなか苦戦しました。
厳かな文章で、すぐ眠くなっちゃう。

中田敦彦さんの YouTube や、NHK のオンデマンドの「100分で名著」などを事前に教えていただいて、やっとなんとか少しわかった感じがしました。


1.背景


古事記を読むとき、歴史の本として読むか、物語として読むか、2通りの読み方があるよと、最初に出席者からのお話がありました。

私は、ファンタジーとして読んで、面白いと感じたんですね。

本居宣長が古事記を発掘して、全面的に史実として考え、国学を作り、戦前に教育勅語として、教育に導入されたのだそうです。

日本が、神の国であると多くの日本人が信じていたのは、今のように高等教育が浸透していなかったからではないかと。

世界の創世神話でも 神話の世界と史実の世界が一緒になっているそうで、面白いなと思いました。


2.スサノウもヤマトタケルも暴れん坊


スサノウもヤマトタケルも 野蛮で全然かっこよくない描き方でびっくりしました。

むしろ悪役じゃない?って。

でも、悪ければ悪いほど、魅力的にもなるよね、というお話があり、なるほどと思いました。

日本文化の根底には、汚いものも 悪いものも 飲み込む大きさがあるのでは?というお話もありました。

うーん、またまた、なるほど。(インドのガンジス川のお話も説得力ありました)





3.出雲神話


色々な地名が出てきますが、関東や東北は出てきません。

なぜなら関東はまだ未開拓の地域が多かったため。

へえー、そうなんだと、不思議な気持ちになりました。

京都の乙訓(おとくに)や三重など、関西の地名のルーツがわかりました。
結構、美しくない由来だったりして笑。

古事記の時代には、日本海側文化圏と言って、筑紫出雲北陸朝鮮のエリアが1つの古代文明のような文化圏だったのではという話が、「100分の名著」にも 今回の読書会にも出てきました。

でもなぜ、大和が他を圧倒することになったのかはわからない、そうです。


4.まとめ


古事記を一人で読もうと思ったら、多分挫折していたと思います。
そもそも多分手に取らないと思うし笑。

読書会という機会をいただいて、自分では気がつかない視点や学びをたくさん得ることができました。

普段周りの人と、色々雑談はしますが、こんなことあったのよレベルで、〇〇をどう思う?なんて話にはなりません。

でも、自分はどう思っているのか、他者はどう思っているのか、を知ることはとても大事なことだと思っています。

このような機会をもっと身近にしていけたらなと思います。










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