見出し画像

【第5節】ヴィッセル神戸寸評

寸評

前節手痛い今季リーグ戦初黒星となった神戸だったが、得意の鳥栖と対戦。相手にボールを持たせる形で手堅く守り切り、多彩な攻撃で相手を圧倒した。ルーキー泉のプロ初弾が決勝点となり、鳥栖の反撃も見事にシャットアウト。2017年から負けがない相手を破り、単独首位をキープした。

採点(最高10-最低0)

先発

GK前川黛也 7.0
仕事をしっかりこなした。枠内シュートが1本あったが、しっかりシュートセーブしてみせた。ビルドアップ面にはまだ少しだけ課題はあるものの、ゴール前での仕事はリーグトップクラスの出来。

DF酒井高徳 6.5
ここ最近の出来は物足りなさを感じるため、かなり厳しめの点数に。鋭い飛び出し、高精度クロスと見せ場はあったが、日本一のSBと考えたらまだまだできたはず。調子が上がらない中、最低限の仕事をこなした。

DF山川哲史 8.0 MOM
まさに要塞というような出来だった。きょうは落ち着きながら冷静な対人守備で鳥栖の攻撃をことごとくシャットアウトしてみせた。タックル、ブロック、クリア、インターセプトとあらゆる守備局面で光るものを見せた。攻撃面は超高精度ロングフィードをつなげてアシストを記録。文句なしのMOM。

DF本多勇喜 7.5 
この方はなぜ京都から放出されたのか理解に苦しむ。ヘディングのセンスと身体能力を生かして、きょうも空中戦で存在感を見せた。危険な穴は先読みでふさぐ頭の良さも◎。神戸のDFラインに必要不可欠だ。

DF初瀬亮 7.5
今週の初瀬さんは素晴らしい出来だった。DFの中では最多スプリント11回を記録し、走行距離も11km越え。最多タイのクロス6本も効果的なシーンで放り込んでいたため、攻撃のアクセントとなった。試合を重ねるごとに成長している。

MF齊藤未月 7.0
走行距離11.886kmとチーム最高距離を走り切り、チーム最多のタックル5回とアンカーとしてしっかり防波堤となった。攻撃参加は若干物足りなさを感じてしまう面もあったが、守備のタスクは際立ったものを披露した。

MF山口蛍 7.5
圧巻の両チーム最多となるインターセプト10本を記録。走行距離もチーム2位と走力でも貢献し、意外性のあるふんわりシュートも惜しかった。酒井の出足が若干遅れ気味だったが、それをしっかりポジショニングでカバーして武藤と酒井でトライアングルを形成。見ていて安心する出来。

MF井出遥也 7.5
前半のMOM。鬼気迫るような勢いで走りまくり、前半で走行距離7km超え。どこにでも顔出して潤滑油のようなパスをつないで、攻撃を活性化。インターセプトも5本と守備にも大きく貢献した。ほんとに昨季J2だったんですか?と言いたくなるようなパフォーマンスだった。

FW武藤嘉紀 7.0
驚異の両チーム最多となるスプリント27回を記録して、走りまくって敵を疲弊させた。前線から積極的なプレスを仕掛けて、タックル成功1回、ブロック2回、インターセプト2本と守備面で貢献。ただシュートゼロ本はアタッカーとして少し頂けなかった。

FW泉柊椰 7.5
前節バッシングした私は節穴でした。浦和戦で多くのファンから酷評されたルーキーが奮起した。ユースの先輩山川からロングフィードを受け取ると、ドリブルでカットインして放物線を描くミドルシュートで決勝ゴラッソを演出。他にも惜しい場面もあり、汰木とのポジション争いもリードしたか。

FW大迫勇也 7.5
この日も数字に残らないポストプレーで前線の攻撃を活性化させた大迫さん。本当に取られないし、チャンスになりそうなポイントにボールを配給するこの男はなくてはならない。シュートは枠内に飛ばなかったが、インターセプト5本とショートカウンターの起点として大活躍だった。

途中
MF佐々木大樹 6.5
守備も攻撃もそつなくこなすいぶし銀の活躍を見せ続ける佐々木。きょうも安定感のあるプレーでベテラン顔負けの貢献を見せた。ただ本来の爆発力あるプレーも見たいので、小さくまとまらないでほしい。

MF汰木康也 6.5
短い時間でゲームチェンジャー的な役割を任された神戸の貴公子。枠内シュート1本と可能性を感じる場面もあったが、可能性という言葉を使われる年齢ではない。ボージャンが認めた本来のパフォーマンスをピッチで見せてほしい。

MF大﨑玲央 —
出場時間が短いため、採点なし。クローザーとして壁となった。


監督
吉田孝行 7.5
前節このおじさん大丈夫かよと心配されたが、何ということもなく大胆な修正でチームを復活させた。特に泉と井出の起用は大当たりで、前半に主導権を奪えたのはこの二人の活躍があってこそ。出来が悪ければ選手を変えるといった当たり前で極めて難しいチームの競争を促す采配は見事なもの。ただ大迫を休ませることをそろそろ覚えてほしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?