【雑感】不発に終わったサッカーオーストラリア代表の奇策

先日サッカー日本代表が2022年カタールワールドカップ出場を決めました。オーストラリア代表戦で後半最終盤に投入された三笘薫選手の2ゴールにより、2-0で勝利。前半は押し込まれる展開があったものの、最後はしっかりと白星をつかみ取りました。ただこの試合は前半はオープンな打ち合い、後半はコンパクトな陣形で手堅く攻めるなど前後半で様相が異なりました。そこにはオーストラリアの奇策があったのではないかと筆者は考えています。今回は雑感なので動画、画像、図などでは説明せず、文字だけで簡潔に書いていきます。

オーストラリアの奇策

オーストラリアは4-4-2のブロックで日本と対峙しました。4-4-2はカウンターアタックに有効な陣形で、コンパクトに形を保ってゾーンを用いてはめやすいといった特徴があります。その反面パスレーンが少ないためポゼッションは不向きです。一般的にこの陣形は手堅く守って攻めに繋げる布陣といわれています。ただ意図的にオーストラリアはこの陣形からオープンな形に持っていくように仕向けたと思われます。以下の理由があったと思われます。

①伊東のサイドのマークをあえて緩くする

②2トップ右に推進力のあるフルスティッチを配置

他にも要素が多くあると思いますが、極力簡略化して書くため2要素に焦点を当てていきます。

前線と後方の距離が間延び

オーストラリアの狙いはオープンな打ち合いにしたかったと思います。主力選手のコロナウイルス感染などで相次いで離脱したため、真っ向勝負は分が悪かったからです。日本代表に後半のような手堅いパス回しから攻撃されれば、オーストラリアは勝機が薄かったと思います。そこでオープンな打ち合いにすればある程度ディスアドバンテージを覆せると踏んだのでしょう。

まず伊東選手がいる右サイドのマークをあえて手薄にしました。前回対戦では左SBベヒッチが積極的にマークしましたが、伊東選手のスピードに振り切られるシーンが目立ちました。そこでスピードで振り切られたり、裏への侵入を避けるためにあえて左SBキングは後方でブロックを固めたと思います。仮にサイドを破られても、中央を防ぎきればアジア最高峰のGKマシュー・ライアンが防ぎきってくれる。正に博打のような守備ですが、このノーガード戦法がジワジワと日本代表に効いていきます。

オーストラリアが中央を固めて、サイドはほぼ絞るようにブロックを固めたことで日本代表は積極的に楔やスルーパスを刺して、前のめりな展開になっていきました。ただ、オーストラリアの2トップは長身デュークと技術と推進力があるフルスティッチ。カウンターになればフルスティッチが一気に前線へ駆け上がり、デュークもポストプレーやダイレクトプレーでゴールへ迫る。積極的に攻撃参加していた左SB長友選手の裏が攻撃しやすかったのもあり、右トップのフルスティッチの配置は当たったと思われます。攻め急ぐ前線、カウンターを阻止したい後方。自然と日本の陣形が間延びしたため、オーストラリアのノーガード戦法の術中にハマった気がします。

後半には修正

ただこの奇策は前半までで、後半は日本代表がしっかりと修正して対応されました。ただオーストラリアにとって不運だったのはセットプレーのオウンゴール取り消しです。GK権田選手よりセインズベリーが先に飛んでいたので、ファールはなかったのではないかとオーストラリアでも話題になりました。あれが先制点になっていれば、前半に奇策を打って勝負に出ていたオーストラリアが試合を有利に運んでいた可能性もありました。ただ日本の修正力とリスクマネジメントの高さでしっかりとゴールを割らせませんでした。アジア最強国として面子を保ったグッドゲームだったと思います。

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