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123便陰謀論は何故信じる人が出てくるのか

あずたん

SNSなどで絶えるの事のない日本航空（JL）123便墜落事故の陰謀論。大半は自衛隊や
米軍が撃墜したという荒唐無稽な内容ですでに反証も出て運輸省（現国土交通省）の
事故調査委員会や米NTSB（国家運輸安全委員会）の事故調査報告書が
正しかった事が証明されている。この点については何度もSNSやmixi日記で述べているので
ここでは書かない。最近だと元JL機長の杉江弘も否定した書籍を出している。
ここで書くのは何故JL123墜落事故陰謀論がまかり通るかを検証してみる。

■自衛隊が事故を隠蔽している？

これは腐るくらい聞く。空自のF-4EJがJL123のボーイング747を誤って撃墜した、
海自のファイアービーやSSM-1がテスト中に衝突した、等々。　
しかし2年後の海自のSSなだしおと釣船との衝突によるなだしお事故や1971年の
雫石事故はいずれも事故は隠蔽されていない。この他にも自衛隊の事故は隠蔽せずに
報道機関に報じられている。
何故JL123の件「だけ」が隠蔽出来たのか理解に苦しむ。

■プラザ合意のために隠蔽された？

もう一つ言われてるのはプラザ合意のために自衛隊の事故を隠蔽した、もしくは
プラザ合意を成立させるために米軍が撃墜したという話。
確かに当時はインフレ対策に米FRBはドル高政策を行っていたが
製造業が壊滅的な打撃を受けたのと好景気への足枷になっていた上に
日米貿易摩擦が深刻化していたから円高ドル安誘導への国際的な協調介入の
必要性がアメリカにあったのは確かだ。しかしこのプラザ合意は米政府内部でも
米ソ冷戦を戦い抜くのと当時既に懸案事項だったFS-X（後のF-2）開発のために
対日関係を重視する国防総省や国務省と米経済を優先したい財務省との間に確執があった上に
日本は日米貿易摩擦とそれによる膨大な対米貿易黒字に頭を悩ませていた。
アメリカでの反日感情や杞憂でしかないが日米安全保障条約の参戦条項を
守らないのではないかとの懸念もこの頃に起きている。だからプラザ合意は日米両国にとっては
渡りに舟であり日本政府は受け入れる気は十分にあった。またこの頃は日本経済の内需拡大への
転換を求められていて政府も本腰を上げていた時期であり、
日本政府にプラザ合意に反対する機運は無かったのである。

■TRON潰しのために引き起こされた事故？

もう一つ言われているのがTRONの技術者がJL123に搭乗していTRONを潰して
米マイクロソフト社のWindowsを世界基準のソフトウェアにしたいという陰謀論。
しかしTRONの技術者はJL123に搭乗しておらず、TRONは家電のソフトウェアでは
世界基準になっている。よく日本はGAFAの「デジタル小作人」と言われているが
実はTRONを通じて「デジタル寄生地主」も担っている。さらにTRONプロジェクトと
マイクロソフト社は対立しておらず寧ろ友好的である。マイクロソフトはPCの、TRONは家電のソフトウェアを担当してるから
対立することは無い。ちなみにスマートフォンではマイクロソフトはGoogleやAppleに
敗北してるのが現状である。

■ネット発の陰謀論を信じる人々が出るは社会の責任ではないか

このように陰謀論の背景を説明したがこうした陰謀論は何故信じられてしまうのか。
それはネット発の陰謀論（ネットde真実とも）が信じられやすい社会にあるのではないか。
平成不況、非正規雇用の増大、賃上げされない給与の責任は政治家や企業の経営者にある。
しかし陰謀論者はそうした人々の弱みにつけ込んで「そうした社会を作り上げた黒幕」を
大々的に宣伝して「信者」を増やしていった。911テロ陰謀論、イラク戦争陰謀論、
秋葉原通り魔事件陰謀論、果ては東日本大震災から始まった人工地震陰謀論がそれである。
最近SNSに登場しているQアノンの陰謀論も人々の不安につけ込んだ陰謀論だ。
こうした人々の不安や窮状につけ込んだ陰謀論は当方からすれば貧困ビジネスにも
似ていると思えるのは当方たげだろうか。中には「集団ストーカー」や
「テクノロジー犯罪」など所謂頭アルミホイルと言われる陰謀論まで登場している。
この集団ストーカーやテクノロジー犯罪はとある精神疾患に起因するとも言われている。
当方は精神医療の専門家ではないので病名等は伏せるがその精神疾患は
誰にでも（当方はもちろん）起こり得る疾患らしい。当方も気分障害という精神疾患を
患っていたが自覚症状があったのですぐに心療内科にかかる事が出来たので
悪化は防いだがこの精神疾患は場合によっては入院等が必要になるとも言われている。
またこうした陰謀論はナチズムなどヘイト政策の元凶ともなりうる。
ナチスのロスチャイルド陰謀論がそれで第一次世界大戦後ロスチャイルドは
没落したのにナチスはロスチャイルドを「ユダヤ金融資本の元締で世界の元凶」と宣伝し、
反ユダヤ主義を扇動した。実際ナチスの強制収容所で落命したロスチャイルド家の方もいる。

そもそも米軍が日本を支配してると陰謀論者は前提で述べているがNATOや在韓米軍とは違い、
日本、オーストラリア、フィリピン、台湾（台湾関係法）では米軍は同盟国軍との
常時の司令部は創設しておらず、有事においてはベトナム戦争での
南ベトナム軍事援助司令部方式で同盟国軍との指揮権を行使する手段を用いている。
さらに我が国はパレスチナを巡る国連総会決議や国連安保理決議では
常にパレスチナ寄りの決議案に賛成していた。

こうした陰謀論への反証だけでなく陰謀論の背景の検証もまた必要で周知されなくてはならない。

※記事とは関係ないソースがありましたのでソースは一部削除しました。



■ソース

第２章 プラザ合意後の円高の進行と円高不況

https://www.esri.cao.go.jp/jp/esri/prj/sbubble/history/history_01/analysis_01_02_02.pdf

北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）についてhttps://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100156880.pdf

尹錫悦政権と戦時作戦統制権の移管問題:防衛研究所
https://www.nids.mod.go.jp/publication/commentary/pdf/commentary260.pdf



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