10年前のブログを見返して


ひょんなことから、昔自分が運営していたブログを検索した。

最近はブログサービスもバンバン閉鎖されているので消えていたらそれでもいいやと言う気分で検索した。
ちゃんと残っていて、正直ちょっと嬉しかった。

ブログといっても記事は当時巡回していたサイトやらブログの好きな部分をサル真似しているだけのお粗末なものだ。
アニメのレビュー、ゲームのレビュー、フィギュアのレビュー、気持ちの悪い自分語りとかそんなものだ。

ブログを見ると丁度10年前で更新はストップしており、投稿期間はたったの2年半くらい(しかも最後の半年はほぼ放置)だった。
恐る恐る見返してみると、ゲーム、アニメ、自分語り、そんなことが繰り返し繰り返し書かれていた。
ブログのレイアウトもありがちで、語り口調は痛々しく、写真も全然綺麗に撮れていない。

ただ、まぁなんだろう。
結構楽しんでたなと思う。
ブログをはじめたきっかけなんて、人気サイトの管理人に憧れてとかそれだけの理由だった。
本当はオリジナルの創作を発表したかったのだけど、素人なのに素人丸出しのクオリティに納得できない自意識は今と同じで、ただただ与えられる情報に対する感想を好き勝手にまとめていた。
大学という環境に心を躍らせ、あれをやりたい、あんなふうになりたいという気持ちだけは痛いほど伝わってきた。

しかし現実では、ゼミにもサークルにも入らないままギリギリ留年を免れ卒業するも、就活など一切行わず公務員浪人を始め、親に出してもらった予備校の資金をドブに捨てるように2年を浪費し、堪え切れずハローワークの門を叩き、結局大学の勉強など一切関係のない会社に就職した。
気が付くと、一人で生きるには困らないお金を稼ぎながらも昔と何一つ変わらないままの自分がいた。

そんな中、また似たようなことを始めた。
当時2年近く続けていたものの、文章力はご覧の通りだ。
10代から20代への10年に比べ、20代から30代への10年はあまりにも短かった。
あれだけ憧れていた一人暮らしを始めてみても、仕事に不安を抱えながら、休み中何のやる気も起きず自己嫌悪だけを募らせて月曜日を迎えている。
当時僕が好きで好きで堪らなかった「NHKにようこそ」にこんなセリフがあった。

「ドラマには起承転結があって…、 感情の爆発があって…、 結末があります…。 僕らの日常は、 いつまでもいつまでも薄らぼんやりした不安に満たされているだけです。」

あの時、心に残りつつも実感を伴わなかったセリフは、こうして心の奥底に深々と突き刺さるようになった。

次の10年。自分はこの記事をどんな気持ちで見返すのだろうか。
思い返せばいいものだったと気休めが言えるだろうか。
だがせめて、今度は、不安に満たされていても書くことだけは手離さずにいようと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?