とりあえず書く、とりあえず

記事を書こうと思うきっかけとなるクリエイターがいた。

だが私は、彼の記事を読み、活動している内容を知るにつれ嫉妬を通り越した敗北感を味わっていた。
極めつけに年齢は自分よりだいぶ下だった。情けないことだが年下の人間に素直な憧れを抱くことができない矮小な自分をここで白状しておきたい。

そんな行き場のない敗北感に苛まれながらも、こうして記事を書き始められたのには理由がある。

彼はライター業以外にも小説をはじめ、漫画原作等マルチに活躍していた。
その活動のひとつに、彼が企画を持ち込んでプレゼンするという動画がyoutubeに投稿されていた。

本当は見て見ぬふりをして、架空のいけ好かない存在にしておくつもりだったが、企画の内容がどうしても気になり動画を見てしまった。

結論から言うと、行き場を失った私の敗北感は無事居場所を見つけることができた。
彼の話し方、その内容を聞き、私の中のイメージはあっさりと崩れ去った。
マルチに活躍する人間はバイタリティに溢れた自分とは真逆のような人物ばかりに決めつけていたが、彼はそうではなかった。
彼のもつ温度感、そして話す内容はとても心地の良いものだった。

作品と作者を切り離せとはよく言うが、私はそれができない。
芸人のクズなエピソードが聞こえてくれば素直に敵視する。
憧れる人を安心して尊敬できるのはなんて素晴らしいことなのだろう。
こうしてあれだけ暴れまわっていた嫉妬心も、今では何事もなかったようにおとなしくなった。

あとは思ったままに書くだけと思ったのも束の間、書けども書けどもダメ出しをしてくる自意識との戦いに、私は早くも挫折しそうになる。

実はこの記事を書く前、勢いに任せ……たつもりだったのに軽く3時間もかけて書き上げた記事があった。
読み返せば読み返すほどまとまりのない文章だった。
終わりの見えない推敲を続けるうちに、睡眠時間が3時間もなくなっていた。自己管理能力のなさにほとほと嫌気がさした。

私は深夜のテンションに任せて書き上げた文章を次の日に見てもだえ苦しむようなことは割と少ない。だが今回お蔵入りにしようとしている記事はお蔵入りにして然るべきまとまりのなさだった。
最後は勢い任せにポエムチックに終わらせようとする謎の手癖まで発動しており中々の怪文書に仕上がっていた。

結局この記事も考え付くままに書き殴った方向性の定まらない文章となってしまったが、2日連続で文章を書き続けたことで気づけたこともあった。

それは一文を必要以上に長くしてしまう自分の手癖。
何度も推敲をしているうちに、自分の書いた文章を頭が覚え、読みにくい文章も自分の中では読みやすく変換されてしまうようだ。
これは仕事でも役に立ちそう。


オチもまとまりもないが、これ以上続けるとまた睡眠時間がなくなりかねない。
とりあえず細く長く続けていきたいものだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?