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JR東日本列車内に掲載中の東京女子大学の広告に対しての感想②

前置き


中野駅にて、中央総武線と地下鉄東西線(2024年6月)

 最近JRに乗っていると、よく目にする広告がある。赤い「問」という字に囲まれた「正解がない時代に、問い続ける力を。」という文字だけでできた広告。これは東京女子大学の広告で、ホームページを見てみると全部で七種類あるらしい。おそらく大学の特色をアピールして新入生をより多く獲得するために掲載していると思われる(オープンキャンパスの日程も書いてあるので間違いないだろう)が、これがなかなかエキセントリックで、不気味で鳥肌の立つ内容だったので広く知らしめようと思い、長らく文章から遠ざかっていたが久しく腰を据えて筆を執ろうと思った次第である。本当は小説が書きたかったのだが、今はまだアイデアがないので、書きやすい読書感想文からリハビリしていこうという打算があったことも付け加えておく。従って一部文体が気になるところがあるやもしれないが、少々大目に見ていただければ幸いである。それからもしこの記事を東京女子大学の関係者が見ていたら、ぜひ炎上させてほしい。その方が閲覧数が増えるからである。

 しかし何故②から書き始めるのかということだが、これは私が感想を書きやすい順に書いていく都合上である。念の為七つの問いの一覧を下記に記すが、
 問①:感情がないはずのAIが女性差別をするという。それはなぜか。そしてどう対処すべきか。
 問②:光源氏が現代に転生したら、モテると思いますか。
 問③:ルワンダ共和国の女性国会議員の割合は61.3%、それに対して日本は10.0%です。この差についてどう考えますか。
 問④:地方出身者が地元に戻りたくなるような地方活性化のアイデアを考えてください。
 問⑤:子供が成長していく過程で嘘をつくようになるのはなぜか。
 問⑥:なぜメディアで恋愛は推奨され、恋愛しないことは推奨されないのでしょうか。
 問⑦:有限と無限はどのくらい異なるのでしょうか。
参照:東京女子大学ホームページ(https://www.twcu.ac.jp/main/topics/2024/0603_02.html
と言ったラインナップになっており、比較的真面目な質問である問⑤・⑦は後回し(もしかしたら書かないかも)にするとして、問①・②・③・④・⑥についてはしっかりと私の感想を述べていきたいと考えている。今回の表題は②となっているから、光源氏に関する質問の広告に対して述べていく。


問②:光源氏が現代に転生したら、モテると思いますか。(現代教養学部人文学科)


中央総武線E231系の車内にて

 質問の趣旨は光源氏が現世でモテるかモテないかだが、これはそもそも質問の内容がおかしい。ご丁寧に自分で前置きしているものの敢えて突っ込むと、光源氏は「実在しない」。この時点で、「転生」は成り立たない。それとも小説家になろうで流行りの異世界転生の話をしているのだろうか? 正しい問いの仕方は「もし光源氏が現代に存在していたら」である。
 で、モテるかどうかだが、これはどう考えても無理筋である。何故なら平安時代の価値観が令和で通用するわけがないからだ。説明欄では「浮気するからキライと切り捨てるのではなく」と安易な判断を一度は否定しているが、その直後に当時の身分差や価値観を踏まえた上でもう一度考えようなどと、ほぼ手のひらを返すような発言をしている。平安時代の身分差と価値観を現代に照らし合わせてどうしたら光源氏がモテるというのだろうか。これではまるで「源氏物語は性搾取を推奨している本だ」とでも言いたげな質問であり、恐らくはそう言いたいのだろうと推察する。
 考えてみてほしい。光源氏の存在が現代で許されるなら、アンジャッシュの渡部建も、声優の櫻井孝宏も、神奈川県知事の黒岩祐治もまるで問題にならないではないか。光源氏が手を出した女性の数は、この時代に業界から干された著名人のそれとは比べ物にならない。相関図は最早ジョースター家の家系図と同等の文字通り複雑怪奇。令和の時代にこんなことをしたら書類送検待ったなしだろうし、離婚時の慰謝料だけで破産できる。そう、水原一平と肩を並べられるくらいには…………。
 というわけで答えはモテない、モテるはずのない、モテるわけのない、のいずれかになる訳だが、論点のすり替えだなどと難癖を付けられても癪なので(すり替えなど一切していないが)、光源氏がまだ紫の君(後の紫の上)一筋だった頃の世間の評価も考えてみたい。
 ところでXにおいてエキセントリックで大変ユーモアのある自論を展開している自称フェミニストの皆さんを「ツイフェミ」と呼称するのはよく知られた話だが、彼女たち(そも男自体が滅べば良いと思っている強烈な意見の持ち主は除く)が男に求めるものと言えば、(年収3000万円以上の)経済力・(韓流アイドル並の)ルックス及び年齢(30代前半まで)・(自分の言うことをなんでも聞いてくれる)性格と言ったところだろうか。どの立場から人を選んでいるのかはさておき、個人的には3000万円とルックスを持ち、27〜8歳くらいなら及第点(彼らは最低ラインと言っているが)なので問題ないだろう。日本の男は金を搾り取られるだけ搾り取られても文句を言えない尻に敷かれる前提の者達が基本(義務教育以前から女の子には優しくしなさいと教育されるのだから防ぎようがないのだが)なので、性格は後からどうにでもなる。となると、貴族の息子で凍るような美青年で、富と名誉を恣にする光源氏はモテないわけがない。そんな彼の伴侶となった紫の君→紫の上は、日本中から「売女」だの、「泥棒猫」だの、「薄汚い女狐」だのと酷評され槍玉に挙げられるだろう。よくイケメン俳優が結婚を発表すると、その相手がもろに食らう集中砲火である。これらはどう見ても嫉妬、僻み、逆恨み以外の何物でもない。しかし一方でこの後は知っての通り、光源氏は様々な女性と関係を持ち、時には取捨選択をすることになるので、取捨の捨側になった女性は週刊文春にリークし、光源氏はまもなく失墜を余儀なくされるだろうし、逆に紫の上は悲劇のヒロインとして日本中から哀れまれることだろう。地に墜ち用済みともなれば、ファンネルとして付きまとっていた女性たちもまもなく一斉蜂起するだろうから、その数から考えて光源氏は水原一平になる、というわけだ。ただし、一平が裏切ったのは大谷翔平だけだが、光源氏の敵は…………その数、察してほしい。そしてこれは、スキャンダルで姿を消した著名人たちの誰もが通る道だ。
 さて、このように経済や文化、価値観の違う者(しかもこの世に存在しない者)を無理矢理現代のレールに乗せたところで、結局本人の持つポテンシャルが充分に発揮されることはほぼなく、ともすれば法で裁かれたり、文春砲によって社会的に抹殺されたりと、むしろデメリットばかりであることは少し考えれば分かることである。だからこそ、敢えてこの様な無茶な質問を投げかけ、男は最低だのクズだのと煽って、男女間の分断を深めようという意図が透けて見えてしまう。これは誰もが保健体育で必ず習うことだが、男女が交わらなければ子孫繁栄はしない。「女は産む道具じゃないんだ」と大きな声を上げて、まるで女性はみんな無理やり出産させられているかの如き発言をしている人もいるが、そうでなく純粋に子供が欲しい女性もこの世には少なからず――否、大多数はそうであることをしっかりと認識してから発言して欲しい。そして分断を煽るために古き良き伝統のある物語の名を穢すような真似はやめていただきたいということを述べて、私なりの答えとさせて頂きたい。

答え:状況による


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