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「3畳の個室に10時間籠ったら精神崩壊した話」 音楽と私#3

精神と時の部屋

いい言葉です、まさにこれ
3畳の個室に10時間籠っていたのは、
音大受験期です

高校3年生の10月まで部活をやって、仮引退から受験まで4か月間
(お察しの通り、仮なので受験が終わった瞬間に復帰します)

勉強組と比べると(部活をやっていない音大受験生と比べても)短い受検準備期間ですが、
部活動に明け暮れ、集団塾に通い、自宅学習をしない私にとって、
人生で初めて"たった一人で向き合う精神と時の部屋"だったわけです


自分が強制していた

大学の卒業試験前もかなり練習していましたが、
「量より質」を覚えたので最大5~6時間とかでした

当時(高3)がいかに狂っているかわかりますね

しかもトランペットは口周りの筋肉で支えているので、
筋肉痛のように疲れると吹けなくなる、
休暇も必要な楽器です

何が起きたかというと、調子を崩します
筋肉つけたい人も10時間ジムにはいないはずです

でもなぜ世間離れした追いこみをしていたのか、
完全なる強迫観念です

特に私のお師匠様は某放送局交響楽団の首席なので、
マインド・スタンスが日本トップの超一流なわけです
ちょうどそのころ某放送局交響楽団に入団されたか試用期間でいらっしゃたかどちらかなので、
ありがたく手加減はございませんでした
(生徒としてもありがたいのでね)

ただやっぱりそのプレッシャーから、
自分自身で勝手に強迫観念を持っていました

(この話のオチとしては、調子が悪いことに先生が気づき、
10時間練習していることを告白し、矯正いただいて受検期間を乗り越えました)


理想が誰よりも高い職業

習っている身だとスキルが伴わないのでバランスを取ろうと気づくことができますが、
プロになるとスキルが伴ってしまうので、
今がベストなバランスなのかどうか、モニタリングがしづらいと思います

そのうえ、恐らくどの職業よりも「理想を誰よりも高く持てる職業」なので、
追い求めれば追い求めるだけ走れてしまいます

だから偉大な音楽家や、今現在活躍している音楽家、音楽を生み出す人たちは、
描きたいものの理想と、それが生まれる前の現実とのギャップに苦しむのだと思います

余談ですが今応援しているミセスグリーンアップルの大森さんも、
理想というか、自分が表現したいことが山ほど高く積みあがっていて、
それを形にする苦しみみたいなのを通して作品を作られているんじゃないかと、勝手に感じます

そんな大森さんの姿を見て、
ジャンルは違うけど一流の音楽家って同じ苦しみを味わわれているような気がして、僭越ながらテーマにしてみました

何事も休暇が大事
転職して良くも悪くもかなり自由になった分、
脳みそが動いている感覚がちゃんとあります

ベストなバランスで働き続けていきたいです






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