対話AI領域で働くということ

今日も紙が美味しいです。
私の仕事について書こうと思う。
自社独自技術なのであまり書くと身バレしそうというのありぼやかす。

この領域で働いている人間としては今年のChatGPTはかなりインパクトがある出来事でした。
中身としては優れている、とか後発がなんだかんだで出てこない(≒ある意味で使えない)というのはありますが、それはさておき改めて日本語って難しいねというお話です。

生成系のAIをやっている人からするとあまりない悩みだと思いますが、意味理解をしようとすると日本語はとにかくきつい。

わかりやすい例で言えばこちらの提案に対して「結構です」なんて返された日には「どっちの意味ですか?」と誰もが返したくなるでしょう。後ろ向きな私は断りとして取りますけどね。でも言語学的?日常的にはどっちとも取れちゃう。

また、主語を省略しまくるのもきつい。英語使っているとこのあたりの厳格さが面倒臭いと思う反面、このおかげで対話AI作るのはまだ楽そうだよなあと思う。ちなみに趣味で学んでいるフィンランド語も主語はないないされるので日本人的には理解しやすいと思っている。でも対話AI作れと言われたら雪原に埋めると思う。そのくらい主語がないないされるのはきつい。

単語で分けられない言葉も出てくるからキーワードマッチングみたいなのだってそこそこきつい。mecabの限界なんて秒で突破してくるぜ。

とまあ、諸々日本語って難しいなあというのはさておき、何よりきついのは日本人は日本語が使えるから日本語が難しいという点に実感がないのですよ。だから平気で「なんでこんなのも理解できないの?」みたいな話をされる。結構きつい。
打って変わって生成系は雰囲気で回答していて、そもそも雰囲気で回答しているから間違っても許されている。なんだそれ。*disる訳ではないですがわかりやすく確率的な回答=雰囲気で返しているという表現にしています。

あとは「雑談くらいしたいなあ」みたいな発言もそれなりにきつい。
なんだよ雑談って。まずは雑談を定義してくれよってなる。

こういう苦しみをした上で何よりきついのが話せること単体に価値がないことなんだよな。
色々話題になったモデルとか色々あったけど、あれほとんどお金になってないですからね。むしろChatGPTもその部分だけでお金に変えようとするとなかなか厳しい現状では?
バジェット決まっている系よりこれ使ってまだ見ぬ世界に行こうぜ的な方が予算引っ張れると思う。

そんな感じの仕事をしています。
まだ。
いつまで続けられるかわからないけど。


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