見出し画像

【河口湖自動車博物館】31日間だけ開館する博物館

はじめに

 「河口湖飛行館」(以下、飛行館)の見学を終えて、同じ敷地にある「河口湖自動車博物館」(以下、自動車館)の見学に向かいました。
 こちらも館長で会社経営者の原田信雄氏のコレクションです。自動車館のほうが歴史は古く、1981年(昭56年)の開館でおよそ40年となります。

8月のみ開館

 自動車館も8月の31日間のみの開館です。
 駐車場には、自動車ファンと思われる車やオートバイも多く、開館の時期を待ち望んでいた様子が伝わります。

賑わう駐車場、自動車館(左)と飛行館(右)

 また周辺を見渡すと、飛行機、自動車だけではなく、野ざらしではありますが、蒸気機関車や船舶もありました。

蒸気機関車1190形(鶴見臨港鉄道→国鉄)も

河口湖自動車博物館

 建物の天井にF-107戦闘機が載せてあるこちらが自動車博物館です。まったく知らなければ、こちらの建物が飛行館でもおかしくないような強い印象を受けます。この戦闘機は複座式という二人乗り仕様です。一方、飛行館の前にはボンネットバスと消防車がありましたので、あえて入口部分は逆転の屋外展示なのでしょうか。
 建物は中央が入口で展示室を左右にそれぞれ持つ構造です。外のチケットカウンターは使われていないようで、中のエントランスに受付があります。
 入館料は飛行館とは別料金で1000円です。2館見学すれば2500円となりますが、単館のみの見学も可能です。

チケットカウンタが残るエントランス

 館内はホールAとBに分かれています。右手に進むとホールAで自動車誕生から1950年代まで、左手がホールBで1950年代から現代までと時代で区分しています。

さあ、自動車の歴史の世界へ

ホールA

 まずは、ホールAに向かいました。
 ホールAでは、馬車と日本の人力車から始まります。そして世界最初の自動車と言われる1886年のべンツ1号機から1950年までの自動車、オートバイなどを展示しています。

ホールAの概観、馬とマネキンが目立ちます

 べンツ1号機の復元があります。意外にも初の自動車は3輪なのですね。その右隣にはベンツ初の市販車です。

ベンツ1号機(左)と市販車(右)

 ベンツがドイツ車ならば、次は、プジョー、ブガッティなど、初期のフランス車が並びます。明治から昭和初期の自動車です。

カラフルな初期のフランス車

 次はアメリカのフォードのT型車が並びます。 フォードT型車は、1912年(大元年)から生産を始めた車史上初の大量生産車です。ボディを変えることで タクシーやバスとしても利用されていて、日本では関東大震災で被災した路面電車の穴埋めのため、安価にバスとして仕立てた東京市営の通称「円太郎バス」があります。あと、手前のオートバイはインディアン社製の1200CCです。

黄色い円太郎バス、プーさんフォードバス、インディアン

 さらに進むと白洲次郎の愛車のイタリア車ランチャ・ラムダがありました。白洲の自動車好きで有名だそうで、白洲車と同じナンバーが付けてありますが本物でしょうか。奥はイギリス車オースチン・7、いずれも大正末から昭和初期の自動車です。

白洲次郎の愛車と奥はオースチン・7

 こちらには、イギリス車のMGが並びます。小型のスポーツカーです。昭和の初期の自動車です。

スポーツカーということもありますが、よりかっこよくなってます

 軍用の国産オートバイの陸王です。払い下げのハーレーの工場製造でしたそうです。その後ろにはオオタのOD型トラック。いずれも昭和12年製です。

陸王とOD型トラック

 さらに進むと、日本で作られた本格的自動車であるダットサン(日産)が並びます。こちらも昭和12年頃の製造です。用途の違うバリエーションが作られましたが、シャーシーとエンジンは共通だそうです。

ダットサンの2人乗り(左)と4人乗りオープンカー(中央)など

 こちらでは、昭和30年代からのロングセラーのスポーツカーが並びます。手前から、イギリスMGが2台そのうしろに、ドイツはフォルクスワーゲンのビートル、ポルシェの最初のモデル。同じくドイツのベンツのガルウィング仕様です。

いまでもなじみ深い車種の旧モデルたち

 ホールAを一巡して戻ると、出口の近くにアンティークな自動演奏機があって100円で数分間の演奏が流れます。自動演奏機はオルガンを中心にアコーディオンやタンバリンやトライアングルも装備してあるもので、どなたかが100円を入れてくれたおかげで音色を聞かせていただくことができました。周囲の方たちも聞き入っていました。

ホールB

 一度エントランスへ戻って、ホールBへ向かいます。ホールBに入るとすぐにジュークボックスがありました。でも、こちらは動かないようです。
 ホールBでは、1950年から現代までの自動車を展示しています。昭和時代の日本の自動車やフェラーリなのどスポーツカーなどが見られます。

 展示でまず目に入るのは、1974年製キャデラック(アメリカ)と1967年製ミニクーパー(イギリス)です。

どちら赤が輝いています

 昭和30年代の日本で活躍した自動車です。ダットサン(日産)の乗用車とダイハツのミゼットと3輪トラックです。背景画がいい味だしてます。

左から3輪トラック、ミゼット、ダットサン

 こちらも、昭和30年代です。スバル360、マツダクーペ、ダイハツミゼットです。オートバイはホンダです。

左からスバル360、マツダクーペ、ミゼット

 ずらりとイタリアのフェラーリのスポーツカーが並びます。1960年代から90年代までです。

ずらりとフェラーリ

 同じくイタリアのランボルギーニとチゼータのスーパーカーが並びます。
手前は昭和時代のスーパーカーブームの代表格のランボルギーニ・カウンタックです。

昭和時代のブームの立役者

 対面には、イギリスと日本のスポーツカーです。イギリスのオースチンの「カニ目」ことスプライト、トライアンフ、日本はホンダ初の4輪車とダットサンフェアレディ

手前からカニ目、トライアンフ、ホンダ、フェアレディ

おわりに

 自動車の100年余りの歴史を実車で見せてもらいました。聞いて知ってはていても実物にお目にかかることはない自動車がいっぱいでした。ただし、気を付けないと展示車には警報センサーがあるようで、近づきすぎて警報音を慣らしてしまうお客さんがいました。
 筆者はスポーツカーや高級車よりもミゼットなど昭和時代の小さい車がかわいらしく魅かれるものがありました。
 建物は開館時期に建てられたものなので40年は経つはずですが、トイレなどはきれいに改装されております。たった8月だけの開館であっても手をぬいていません。こちらも、ぜひまた訪れてみたい博物館です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?