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刺すか刺されるか          VSクロトーネ戦マッチレビュー

前節論争を生んだナポリ戦は1週間の協議を経てユベントス側の不戦勝(3-0)、ナポリの勝ち点1剥奪という結果となった。

正直リーノ対ピルロというカードはこの二人を見て育った自分からすると思い入れがある対決だが、結果的に戦わず勝ち点3を得られたので満足いく結果となった。スーペルコパ、トリノでの対決があるのでそれまでの楽しみにしよう。

代表ウィークが明けユーヴェはロナウドがコロナ陽性、ラムジーが負傷離脱というコアの2人が抜ける痛手、対するクロトーネは開幕3連敗、10失点という最下位の中で、ホームでユベントスから勝ち点を奪い浮上のきっかけとしたい一戦。

お互いの布陣

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「ユベントス」 攻撃:3-2-5 守備:4-4-1-1             「クロトーネ」 攻撃:3-5-2 守備:5-3-2

ユベントスはロナウド、ラムジーがコロナや怪我で離脱したので3-4-1-2から3-4-2-1へ変更。

ローマ戦では結果を残せなかったモラタが中央、2シャドーには右のクルセフスキとサプライズ起用のポルタノーヴァが左に入る。中盤はアルトゥールとベンタンクールのコンビ、ネガトラ時に不安が残る人選となった。

クロトーネは3バックの中央にユーヴェプリマ出身のマッローネ、アンカーにはプロビンチャのレジスタチガリーニ、実況の八塚さんが連呼してたシミーはセリエB初のアフリカ人得点王という面々。

陣形の噛み合わせ

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ユベントスの3-4-2-1に対してクロトーネは3-5-2で構える。

ユベントスは最終ラインで数的有利を作り、クロトーネは最終ラインが数的同数だが中盤で数的有利を作る配置。

試合を通じてお互いピッチ右サイドからチャンスを作った、キエーザがレツァの裏のスペースを突き、レツァがキエーザの裏のスペースを突く打ち合いとなった。

ラムジー不在の影響とは

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ユベントスのビルドアップは3バック+2ボランチで組み立てる、バルセロナから加入したアルトゥールが、イタリアでは見慣れないスペイン風のゲームメイクを見せた。

自陣では3+2枚で前進し、中盤では大外のWBにボールを預けてモラタ、2シャドーに縦パスを入れてスイッチを入れる。

ラムジーの欠場でポルタノーヴァがスタメンに入ったが、最初から左HSに入ってラムジーのようなビルドアップを助ける動きが無かった。

ユベントスは最前線のモラタがポストになって、シンプルなロングボールを当てて前進を狙った結果、同点ゴールの形となった。

クロトーネのプレッシングはメシアスがアルトゥールのコースを切る動き、シミーはボヌッチをケアする。

中盤の3枚は左右非対称で左IHのブリッチがベンタンクールに対して飛び出し、右IHのモリーナは状況に応じてポジションを離れる。

5バックがユベントスの前線5枚とマンツーマンになるので、縦パスに対してファウル覚悟で厳しく当たる。

刺すか刺されるか

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クロトーネの組織的守備は自陣に5-3-2のブロックを敷く撤退守備、5バックが5レーンを塞いで中盤3枚が中央を固める。

ポジショナルプレーを志向するチームに対して5バックで5レーンを封鎖するという定石の対応。

2トップはゴール前まで下がって左右のHV、2ボランチに対してプレッシャーをかける。

ユベントスのゴール前での崩しは、3-2-5の形でキエーザとフラボッタの両WBが幅を取り相手守備陣を開かせる。前回のローマ戦ではWBに逆足の選手を配置し攻撃が上手くかみ合わなかったが、今回はしっかり修正してきた模様。

2シャドーが左右のHSでプレーを行い、ポスト役のモラタの落としからチャンスメイク、裏への抜け出しなど攻撃に変化を加える。

中央のモラタは得意ではないポストプレーを懸命にこなし、得意とするクロスから貴重な同点弾やポスト直撃のヘディング、幻の逆転弾などヒーローまであと一歩のところであった。

この試合の争点となったのはユベントスの右サイドvsクロトーネの左サイド。ピルロは多少打ち合いになっても分があると考えたのか、キエーザを高い位置でプレーさせて積極的にレツァの裏のスペースを突いた。

これに対してクロトーネ側もキエーザの裏のスペースを突き打ち合いになった。

クロトーネがPKを獲得した場面はキエーザが戻って来ていないスペースを狙われ、ダニーロの対応が曖昧になった場所からボヌッチがリゴーレを献上した。

ユベントスの同点弾はモラタが落としたボールをクルセフスキが展開し、上手くレツァの裏のスペースを突いたキエーザのクロスから追いついた。

エピローグ

現在右サイドを起点にする攻撃を構築しているユベントスの欠点は裏のスペースのケア

3バックの役割は本職CBの左HV、最終ラインのレジスタ、SB兼HVの3枚で構成されているが、アンカー不足を対人に難があるが、展開力に優れたボヌッチを3バックの中央で起用して補おうとした。

右HVに攻撃的なダニーロを起用すると攻撃時は役に立つが、右WBが攻撃に振っているため自身の右HSと大外を一人で見ないといけないので、対人能力と身体能力を求められる。

この時守備に難があるが展開力に優れたボヌッチを仮アンカー(仮キャプテン)として3バックの中央で使っているので、ダニーロと組ませてる事によって守備面、トランジション時に大きな不安を残すことになる。

理想は右SB経験があり対人能力、身体能力に優れたデミラルを右HVで起用したい。

Twitterでは4-3-3やボヌッチを外しデリフトを中央に起用するという声が聞こえるが、現状アンカー不足の策が3バックなのでラビオかベンタンクールがアンカーとして覚醒してほしい。

デリフトを中央で使うなら3バックに固執する必要はないだろう。

最後に交代で入ってきたクアドラード、ラビオたちはチームの流れを変えるプレーを見せたが、ベルナルデスキは危機感があるのか分からないが、サポーター目線からすると復帰戦とは言え若手より走って戦ってくれ。

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。




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