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実際に買い付けをする前に

さて、前回の続きです。

NHKのテレビ番組を見て興奮したわたしは友人に
「聞いてくれ!35ユーロで買ったアラビアの食器が日本では120ユーロに化ける」
と伝えると、目を丸くして
「WHAT A FUCK!!!」
「OH MY GOOOOD!!!」
と叫び、
「Japanese are really crazy people!」
と言いながらも滞在期間の1週間は彼女自身が頻繁に買い物に行く場所にたくさん連れて行ってくれました。

わたしは元々はバックパッカーなので、フィンランドだけに行って日本に帰ってくることはしません。
買い付けはあくまでも旅の+アルファ。
このときは東京から鳥取まで夜行バスで向かい、まずはロシアのウラジオストクを目指し、ロシアを1ヶ月かけて横断してフィンランドへ抜け、さらにバルト三国を南下して東欧諸国をすべて制覇して5ヶ月後に帰国しました。
この時に限り、フィンランドで購入した食器たちはフィンランドから航空便で日本へ送りました(以後すべての買い付けはハンドキャリーです)。

では本題に戻しますが、まずは友人がビンテージのアラビア食器を買うときのルールをご紹介します。
① カップ&ソーサーで10ユーロ以上は決して払わない
② 気に入ったらソーサーだけ、カップだけ、とバラでも買う

現地に在住の人はこまめにお店をチェックできますが、滞在期間の限られた外国人に②はなかなか難しいです。
でもソーサーだけだと50セントなんかで売られています。
だからそれに合うカップを仮に3ユーロで見つけられれば、お気に入りのセットが4ユーロしないで買えちゃうんです(もし蚤の市で見つけたら「コレ買うから(ハンパな)カップをオマケして!」なんて交渉でタダで手に入ることも多いですヨ)。
ただやはり日本人が日本から買い付けに行く場合は、時間的な制約もあるので正直難しいです。

では①はどうでしょう?
これはわたしも実際に現地で友人が買い物をするお店に行くまで10ユーロ以下じゃガラクタしか手に入らない、と思っていました。
ですが、10ユーロも払ったらかなり素敵なセットが入るんです。

ここには不思議な捻れがあり、フィンランドのビンテージアラビア食器はただの中古食器なんです。
なのでフィンランドのデパートSTOCKMANNで現行の新品アラビア食器が30ユーロだとしたら、日本では同商品が5,000円程度でしょうか。
しかしビンテージ品になるとフィンランドでは値段はガクッと落ちて高くても10ユーロなのが、日本で販売するとなると手に入りにくいという理由でグンと値段が上がり6,000円くらいになるわけです。
フィンランドの友人にしてみると、「クロッカス」は確かに可愛いし貴重ではあるけど、ただの中古食器に15,000円も払うなんて信じられないでしょう。
でもモノの価値は売り手と買い手がつけるものなので、この価格だって法外なものではないのです。

さて、思い出してください。
旅の思い出とはいえ、1年前のフィンランド旅行でわたしはビンテージ・アラビアの「クロッカス」を35ユーロで購入しています。

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もちろん仕入れのつもりではないですし、旅の思い出ですから35ユーロは決して高くはありません。
でも仕入れなら35ユーロは高すぎです。
このときわたしはアンティークショップで購入しているのですが、当然アンティークショップも売り上げが必要ですよね。ビジネスですから。
なのでこの価格は分かりやすく言うとツーリスト価格、お土産価格なんです。
だって現地の方たちはこんな高いお店では買いませんから。安く売られているお店に何度でも足を運んで出会いを待てばいいだけなので。

ただし。
NHKの番組に出演していたプロのバイヤーさんが言っていたように、仮に「クロッカス」がテンション上がる掘り出し物である場合はアンティークショップで購入してもいいと思います。
なぜなら日本でもいい値段で売れるからです。
でもアラビアの食器に限って言えば、比較的安易に買えるシリーズもあるので、そういう食器をアンティークショップで高値で買うのは気をつけたほうがいいですね。
例えば「コスモス」や「ルスカ」、「ルイヤ」など。
経費も入れてトントンだったら、それはビジネスとしての仕入れでは失敗ですから。

あと注意したいのは、復刻版の存在です。
過去にはとっても人気があり手に入りにくい貴重なシリーズだったのにリバイバルの復刻版が販売されることがアラビアには多々あります。
例えば「アピラ」や「スーヌンタイ」などがそうですが、もちろんバックスタンプで製造の年代は分かりますしオリジナルの値打ちは変わらないものの、やはり裏を見て初めて分かる違いのために日本人はお金を払う傾向にはありません。
オリジナルの「アピラ」は「クロッカス」以上に貴重で当時は高値で取引されていましたが、復刻版が出てから過熱気味だった市場が落ち着いてきた感じを受けます。


それでは次回はいよいよ実践編。

どこで何をいくらで買って、いくらで売ったのか?
購入場所や商品の写真、買値や売値、商品説明などをたくさんの実例とともに詳しく公開します。
どんなブログやノウハウ本を見ても「こんなの買いました!」ばかりであまり参考になりませんし、仮に「◯◯ユーロで買いました!」と書かれていても、それが実際に日本の市場で幾らになったかまでは記載してません。
そんな痒いとことに手が届く具体的なお話をいたしますので、有料にて公開します。
旅の途中で自分用に日常使いの品物を買いたい人、ちょっとショップを経験してみたい人、もしくは、わたしの数倍のボリュームで買い付けをして本気でビジネスをやりたい人。
そんなみなさんにとって夢が広がる有益な情報になると思います。

なお改めての注意事項となりますが、「自己紹介」にも記載の通り、わたし自身でさえ現地で同じ商品を同じ価格で仕入れて日本で同じ金額で売るのは不可能であるくらい再現性はありません。
あくまでわたし個人の体験談であり、みなさんのアイディアが広がるひとつのツールとなればと思っての公開ですので、ご理解のほど宜しくお願い致します。






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