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【‘‘演じる心身性’’】

毎年、楽しみにしていることがあって、それは日本アカデミー賞の受賞式をテレビで見ることで今年は特に思い入れのある作品ばかりで『怪物』『ゴジラ-1.0』『PERFECT DAYS』が特に面白かったです。最優秀主演・助演/女優・男優賞を受賞された方々の作品に込めた思いや役作りの話なども、どれも興味深いものでありました。

役を演じる演者さんたちの熱量というものは作品を通して、どのような感情で、あるいはどれほどの思いで演じているのか、その演技というものはその方にしか出来ない特別な技術力であることを実感させられました。
観客である私たちの心情は自らが映画の中に入り込み、映像として流れ込んできたものを視覚から情報伝達をして理解します。
本を読む場合、抽象的な内容を文章から読みとき解釈することというのは非常に難易度の高いことだと思います。
具体的な内容は映像として置き換えられているので、本を読むことよりも、映画を見ることの方が断然理解しやすいのが映画の特徴だとも感じます。
演技の魅力について考える上で、演者の底の見えない演技力は作品に見合った、いわゆるオートマチックな技術性が発揮されるものであり、個々の‘‘演技’’について、どのようなところが良いのか、悪いのか、もしくは作品における舞台設定や演者の相性にもよるのだが、演者が作品で光る瞬間というのは見る側の私たちを惹き付ける特別な力が働くものだと感じます。
だからこそ、映画やドラマを鑑賞する度に面白い発見が色々あるものですし、そこから学ぶべきこともたくさんあったりします。
演技に触れる機会というのは、一般人である私たちは‘‘見ること’’でしか演者の凄みということを知ることが出来ないものであり、実際に役に為りきるということは主体性の自我から離れて別の自我として活動を行うことだと考えられます。
演技のプロセスを体験する為には、やはり専門学校での演技教育を実際に受けて、たくさんの経験を積み重ねなくてはいけないものでありますし、演技の基礎を学ぶだけでなく、あらゆる演者さんたちの演技を目に焼き付けることで得られるものも違ってくるだろうなと考えさせられたりもしました。
今回の第47回日本アカデミー賞では、安藤サクラさんが『ゴジラ-1.0』で最優秀助演女優賞、『怪物』で最優秀主演女優賞のW受賞をされ、役所広司さんが『PERFECT DAYS』で最優秀主演男優賞を受賞され、作品賞では『ゴジラ-1.0』が最優秀作品賞を受賞する結果となり、とても嬉しい気持ちと受賞された二方と最優秀助演男優賞を受賞された磯村さんを含めて演者さんの演技力に込められた特別な力を感じさせられるものがありました。
そして、本命のゴジラが作品賞を受賞したことも嬉しかったですし、VFX技術を使ったゴジラの大迫力な映像技術はやはり圧巻だったなと改めて実感しました。
本年度の日本アカデミー賞受賞式を通して、映画と演者における相性や役割、そして演技力によって作品の質というものも変わってくるだろうし、監督の力量によっても左右されるもので映画というのは私たちの想像以上に奥深いものだと考えさせられるものがありました。
身体と精神を掛け合わせて、役を演じることとは何かということは今後も学ぶべきことがまだまだあるなと今回の受賞式を見て、そう思いました。

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